2019年(令和元年)第4回定例会 会期
12月5日から20日のうち、私は12月13日の一般質問に登壇しました。
以下は、私の質問と答弁の要旨です。
「一括方式」で質問をしていますが、質問と答弁の対応がわかりやすいように、切り分けて並べ替えて掲載しています。
前編、中編、後編の3回に分けて掲載します。こちらは前編です。
正式な会議録は、2ヶ月以上後に仙台市議会ホームページに掲載されます。
どうぞ、ご了承ください。
録画された動画は、公開されています。
▼仙台市議会インターネット議会中継-いのまた由美
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前編:県立特別支援学校の秋保地区への新設について、質問しました【議会】
中編:インクルーシブ教育・通常の学級でより丁寧な対応ができるよう、特別支援教育や不登校支援について、質問しました【議会】
後編:重度知的障害者の地域自立生活について、質問しました
いのまた由美 一般質問
社民党仙台市議団のいのまた由美です。
議長のお許しをいただきましたので一般質問をいたします。
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①ヘルプマーク
○いのまた由美
12月3日から9日までの1週間は「障害者週間」でした。仙台市内でも福祉への関心と理解を深める取組みが実施され、障害者の社会参加の促進に資すると評価できるものと私は考えます。仙台市庁舎前面には障害者週間にヘルプマークを周知するつり看板が、昨日まで掲示されていました。本市では昨年12月からヘルプマークが配付されておりますが、取組みの状況や反響などがありましたらお伺いいたします。またどのような思いで、今回の障害者週間のつり看板にヘルプマークを掲げられたのかについても、ご所見を伺います。
○健康福祉局長 答弁
ヘルプマークについてでございます。ヘルプマークは昨年12月から配布を開始し、1年間で約5,300個の配布を行いました。窓口も徐々に拡大し、現在は区役所や地下鉄改札等19箇所で配布をいたしております。あわせて市営バス・地下鉄の優先席付近にステッカーを貼るなど、この間、周知に努めてまいりました。
街中でヘルプマークを見かけることが多くなったという声がある一方で、身に着けていてもマークの意味が理解されず、配慮が得られないことがある、といった声もいただいており、さらなる周知の必要性を感じているところでございます。そのため、今年度の障害者週間に合わせ、市役所本庁舎に吊り看板を設置するとともに、地下鉄車内へのポスター掲出を行ったところです。
今後も引き続き、ポスターの掲出先の拡大やイベント等で周知するなど、市民の目に触れる機会の増に努めてまいります。
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②特別支援教育の課題について
○いのまた由美
順次、本市の特別支援教育についてお伺いしてまいります。
「仙台市特別支援教育推進プラン2018」では、特別支援教育をめぐる課題として、「障害の重度・重複化」「発達障害を含めた障害のある子どもたちの増加への対応」「いじめ防止の取組みにおける、発達に課題があり配慮を要する子どもたちへの対応」が、はじめの言葉の中であげられています。私は、重度障害や障害認定がない場合まで障害の程度にかかわらず、当事者が直面している不自由さや不利益に対応して合理的配慮をすることが必要だと考えます。ご当局の認識を伺います。
○教育長 答弁
特別支援教育の課題についてでございます。
特別支援教育においては、児童生徒の障害の種類や程度にかかわらず、個々のニーズに応じて支援をするという考え方が最も重要であると認識しております。
こうしたことから、仙台市特別支援教育推進プラン2018では、「大切なひとり ともに生きるみんな」を理念とし、すべての児童生徒に必要な教育の方向性とともに、合理的配慮の提供など、児童生徒のニーズに応じた支援の充実のための施策を示しております。
教育委員会といたしましては、本プランに基づく取り組みを推進し、特別支援教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
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③県立特別支援学校の新設について
○いのまた由美
つづいて、秋保地区の拓桃園跡地に宮城県が開校を予定している「特別支援学校」建設計画について伺います。県から示されている開校までのスケジュールや、定員の内訳をお示しください。あわせて仙台圏域の知的障害特別支援学校の児童生徒数の現状や今後の推計もお示しください。
○教育長 答弁
県立特別支援学校の秋保地区への新設についてでございます。
宮城県教育委員会から伺っているところでは、現在、校舎の設計中で、令和6年4月に開校予定となっております。定員は小学部54人、中学部27人、高等部普通科33人、高等部産業技術科96人、計210人の予定とのことでございます。
仙台圏域の知的障害特別支援学校の児童生徒数等につきましては、宮城県が策定した「第2期県立特別支援学校教育環境整備計画」によりますと、平成28年度は1481人で、令和6年度に1720人に増加した後、減少に転じると予測されております。
○いのまた由美
全国的に見ても特別支援学校を希望する児童生徒の保護者が増えています。地域の学校で学ばせられるといいけれど、傷つけられた経験を重ねた方は、頑張ってまで普通学級にはいかないという話を聞きました。いじめなどを恐れる話は本当に多いです。また通学に時間のかかる遠方の支援学校よりも仙台市内に支援学校を増やしてほしいという保護者の願いを聞いております。本市では特別支援学校に関わるニーズの把握をどのようになさっているのでしょうか。就学希望者が増えている理由をどのように認識されているでしょうか。ご所見を伺います。
社民党仙台市議団としては就学希望者の増加や施設の狭隘があり、仙台市域内への更なる増設が求められていると考え、市政要望を出しています。秋保に特別支援学校が開校しても、希望者のニーズはまだ満たせないと考えます。認識や今後の対応を伺います。
○教育長 答弁
特別支援学校にかかるニーズの把握等についてでございます。
毎年、教育委員会が主催する「障害のある新就学児の教育相談会」で保護者から直接ご希望を伺い、特別支援学校にかかるニーズを把握しております。
特別支援学校の児童生徒の増加には、児童生徒一人一人の実態に合わせ、より専門的な教育を求める保護者が増えていることも背景にあると認識しております。
県立特別支援学校が新設されることにより、教育環境の充実が進むものと考えておりますが、今後も本市として宮城県に対し、特別支援学校の教育環境の充実について要望してまいりたいと存じます。
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④秋保地区 通学路周辺(湯向交差点や湯向地区)の交通安全対策について
○いのまた由美
関連して、特別支援学校予定地の周辺地域の交通安全対策について伺います。宮城県教育長からは、スクールバス10台前後の運行や、職員数約200名の勤務が見込まれると地元町内会に説明がありました。開校予定地の入り口にあたる「湯の橋」は秋保温泉街の入り口で、定期バスの路線でもあり、開校によりさらに交通量が多くなることが予想されます。「湯の橋」に隣接する湯向交差点は2014年度から2016年度の3か年で17件の交通事故が発生しており、地元町内会から交通安全対策の要望や陳情が継続して出されています。具体的な対策として、現状は県道の一方向にのみ信号があるところを双方向信号に設置替えをする要望があります。これらのことへの認識や現在の取組み、今後の対応策について伺います。
○太白区長 答弁
湯向交差点についてでございます。
この交差点は、お尋ねにございましたとおり、交通事故が多発している状況にありまして、私共太白区といたしましても、仙台南警察署に対し、一般的な4方向信号への変更を要望してまいりました。
しかしながら、交差点に近接します湯の橋の幅員が狭く、大型車同士の擦れ違いが困難であるため、信号待ち車両により、却って円滑な通行が阻害されかねないといった理由から、対応は困難である旨の見解が示されております。
現在、交差点四隅への防護柵の設置や、交通指導隊と連携した街頭指導などによりまして、近隣の小学校に通学する児童や歩行者の安全確保に努めているところでございまして、今後は、特別支援学校の開校も見据えまして、一層の安全対策に関し、警察や町内会など関係する皆様と意見交換を行ってまいりたいと考えております。
○いのまた由美
また、湯の橋から直進して住宅街へ入る市道は、錦が丘方面への抜け道として使われている現状があります。付近は小学校、児童館、保育所があり、湯元児童館前の交差点では車三台がからむ事故や標識の破損もありました。地元の諸団体の連名で、安全対策を仙台南警察署長宛に要望されています。安全を守るために、仙台市としてはどのように認識して、今後の対策を考えているのか、お伺いいたします。
○太白区長 答弁
湯の橋から直進して住宅地に入ります市道秋保町湯向幹線についてでございます。
この道路は、幅員が広く、見通しも良いため、スピードを出す車が多く、歩行者の安全対策が必要と認識いたしております。
このため、これまでに実施した通学路点検等の結果を踏まえまして、保育所等の施設の存在を告知する標識の設置や、道路幅員を狭く見せるドット線の標示を行うほか、一時停止の標識設置など警察とも連携した交通安全対策を進めてまいりたいと考えております。
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再質問
○いのまた由美
湯向交差点や湯向地区の交通安全対策について
○太白区長 答弁
湯の橋の整備に致します再度のお尋ねでございます。
湯の橋の拡幅につきましては,本年8月29日に開催されました地域懇談会の場におきましても、地元の皆さまからご要望を頂戴致しております。
仮にこれを実施すると致しました場合には,相当長期にわたって橋を通行止めとするということが避けられませんので,ここを経路とする路線バスでありますとか、近接地、旅館へのアクセスなど,多方面に少なからぬ影響が生じると見込まれるところでございます。
こうした、仮に湯の橋の拡幅を行うとした場合に、想定されます様々な課題につきまして、どのような整理をつけるのかという観点も含めまして、先程ご答弁を申し上げましたように,関係者の皆さまと意見交換を重ねてまいりたいという風に考えております。