重度知的障害者の地域自立生活について、質問しました【議会】

2019年(令和元年)第4回定例会 会期
12月5日から20日のうち、私は12月13日の一般質問に登壇しました。

以下は、私の質問と答弁の要旨です。
「一括方式」で質問をしていますが、質問と答弁の対応がわかりやすいように、切り分けて並べ替えて掲載しています。
前編、中編、後編の3回に分けて掲載します。こちらは後編です。

正式な会議録は、2ヶ月以上後に仙台市議会ホームページに掲載されます。
どうぞ、ご了承ください。
録画された動画は、公開されています。
▼仙台市議会インターネット議会中継-いのまた由美
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仙台市議会 いのまた由美

前編:県立特別支援学校の秋保地区への新設について、質問しました【議会】
中編:インクルーシブ教育・通常の学級でより丁寧な対応ができるよう、特別支援教育や不登校支援について、質問しました【議会】
後編:重度知的障害者の地域自立生活について、質問しました

いのまた由美2019年12月13日一般質問 質問項目

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重度知的障害者の地域自立生活について

○いのまた由美

支援が必要な児童生徒のライフステージにあわせて、学校卒業後を見通し、労働、医療、福祉との連携も強化しながら生活基盤形成していくことは、特別支援教育の一環であると考えます。

2014年に完全施行された「障害者総合支援法」の目的は、地域社会で健常者と障害者が分け隔てなく生活できるようにしたときに、必要となる各種サービスを充実させるものです。

重い障害のある方は親元で暮らすか入所施設のどちらかで暮らすのが当たり前だと思われていましたが、入所施設での暮らしが合わないかたも、重度訪問介護の制度などを使って介護者に支えられてひとり暮らしをすることも可能となっています。2016年の法改正により、「重度訪問介護」が肢体不自由者だけではなく、知的障害や精神障害の主として行動障害を有するかたにも適用できるようになりました。実際に東京でひとり暮らしをしている自閉症や行動障害のある青年の日常を撮った「道草」というドキュメンタリー映画があります。昨年劇場公開され、仙台でも多くの方がごらんになっています。先日のつどいの家と後援会主催の自主上映会の会場には、郡市長も表敬訪問されたと伺っています。この映画をみた、自閉症のお子さんを持つご家族は、将来的に一人暮らしの体制を作ることができることを知り、可能性をさぐっています。

現在は仙台市内で家族と暮らしている重度知的障害のある青年が、将来的に重度訪問介護などの制度を使って一人暮らしすることも視野にいれ、相談事業所や区役所と相談を進めていると聞いています。こうした願いを本市で実現していくには、どのような課題があると認識されているでしょうか。ご所見を伺います。

○市長 答弁

重い障害のある方の地域生活支援に関するお尋ねにお答えをいたします。

障害の有無に関わらず、住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けるということは、私たち共通の願いだろうと思います。

障害のある方が地域で自立した生活を実現するためには、本人の希望に寄り添って、必要な支援を調整する相談支援の拡充と、本人の特性に応じた適切なサービスを提供する体制の確保とともに、地域における障害に対する理解の浸透、これが不可欠であろうかと思います。

本市におきましては、事業者や地域の方、児童生徒を対象にした障害のある方が講師を務める啓発事業や、また、障害者スポーツの体験会などを通じまして、理解促進に努めているところでございます。

今後とも、障害福祉サービスの充実とともに、地域の皆様方の障害に対する理解を深め、ともに支えあう地域づくりを進めることで、仙台市障害者保健福祉計画に掲げた「共生の都・共生する社会」の実現を目指してまいる所存でございます。

事業者の人材確保等について

○いのまた由美

相談支援事業所や行政の窓口においては、ご本人への支援の必要性に応じて制度が利用できるよう適切に対応してもらう必要があるとともに、実際の支援にあたる介護事業者の人材確保や支援スキルの向上が必要であると考えますが、今後の施策の進め方について伺います。

行動障害のある方が地域でひとり暮らしをしていくためには、障害特性についての周囲の理解も必要です。たとえば家を借りるにも大家さんの理解が必要になってきます。インクルーシブ社会の実現に向け、地域に働きかけていく必要があると考えます。また、どんなに重い障害があっても、地域で自立生活を送ることができるという選択肢があることを広く知ってもらう必要があり、そのための取組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。伺います。

以上で、私の第一問といたします。
ご清聴ありがとうございました。

○健康福祉局長 答弁

重い障害のある方の地域生活を支える事業者の人材確保等についてでございます。

障害のある方の地域生活を支えるにあたりましては、適切な相談支援のもとに、利用者の意向や状態、周囲の環境などを十分に勘案し、適切なサービス提供がなされることが重要であり、今後も適正な支給決定に努めてまいります。加えまして、サービスを提供する人材の確保とその質の向上が重要と考えております。

本市におきましては、ご本人の行動障害の軽減を図るため、アーチルなどの相談支援において、行動の背景を整理した上で、生活習慣を整えたり、対応方法を工夫したりしているところです。

また、障害福祉サービス事業者等を対象として、行動障害に関する研修や事例検討を実施しております。

さらに、人材の確保につながりますよう、他の政令指定都市とともに、報酬水準の引き上げについて引き続き国へ要望してまいります。