八木山動物公園再整備について一般質問しました

2021年9月9日から10月12日までの34日間の日程で、第3回定例会が開会中です。

私は9月17日の一般質問に登壇しました。一般質問をいくつかの投稿に分割して掲載します。こちらは、その3です。当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。「一括質問」の形式ですが、ここではトピックごとに質問と答弁が対応するように入れ替えをして掲載しています。

その1「私たちは『買われた』展仙台」

私たちは「買われた」展仙台 一般質問しました
2021年9月9日から10月12日までの34日間の日程で、第3回定例会が開会中です。 ・令和3年市長提出議案・当初提出議案・議員提出 議案-無し・議員提出 意見書・決議 私は9月17日の一般質問に登壇しました。一般質問と答弁要旨をいくつかの...

その2「重度障害者就労支援特別事業」

「重度障害者等就労支援特別事業」一般質問しました
2021年9月9日から10月12日までの34日間の日程で、第3回定例会が開会中です。 ・令和3年市長提出議案・当初提出議案・議員提出 議案-無し・議員提出 意見書・決議 私は9月17日の一般質問に登壇しました。一般質問と答弁要旨をいくつかの...

録画配信と議事録

質問の3営業日後(9月24日以降)は録画中継も視聴できます。

仙台市議会インターネット議会中継
仙台市議会インターネット議会中継

「いのまた由美/令和3年第3回定例会/9月17日/本会議(一般質問)」をご覧ください。
正式な会議録がホームページに公開されるのは12月頃と思います。

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仙台市議会で行われた会議の内容を検索できる。

仙台市八木山動物公園 施設長寿命化再整備計画について

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計画に込められた思い

いのまた由美
いのまた由美

 8月20日に施設長寿命化再整備計画案が発表されました。開園から55年が経過し、施設や設備の老朽化が進んでいる中、ハード面の大規模改修にあわせて、展示にも大きな工夫がこらされた計画案となっています。
 動物展示の方法を計画するにあたっては、動物公園職員が、他の園を視察し、来園者や担当している動物が快適に過ごせるよう工夫をして、価値を最大限に発揮できるよう、議論を重ねてボトムアップで作り上げた計画とお聞きしました。計画に込められた思いを、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(高橋副市長 答弁)

 八木山動物公園の施設長寿命化再整備計画に込められた思いに関してお答えいたします。

昭和40年の開園以来、八木山動物公園は仙台市民をはじめ、県内外の多くの方々にも親しまれてきた施設でございます。この間、生態展示を基本としたアフリカ園や猛獣舎の改修、動物とのふれあいをコンセプトとした「ふれあい館」の開設など、来園される方々のニーズに沿った整備を行ってまいりました。

 議員ご指摘の通り、開園から55年が経過し、施設の老朽化が進む中、これからも市民の皆様に愛される動物園であり続けるため、施設の長寿命化対策と動物園の魅力アップを図る再整備を進めることとしたものでございます。

 この再整備にあたりましては、子どもたちをはじめ、動物園を訪れる多くの方々が、動物やそれらを取り巻く環境への理解を深め、驚きと感動を与えることができる動物園となるよう、計画を策定いたしました。

 再整備には長い期間を要しますが、動物の行動等の知識を有している八木山動物公園の全職員の思いが込められた本計画に基づき、着実に事業を推進してまいりたいと考えてございます。

動物福祉と環境エンリッチメント

いのまた由美
いのまた由美

 動物園の4つの役割は「レクリエーション」「種の保存」「環境教育」「調査研究」といわれています。私は、これからの動物園の役割として重要なのは、私は地球規模の気候危機の時代であるので環境保全や生物多様性の保全と考えています。現在の八木山動物公園運営方針は平成29年に制定されたものであり、SDGsや環境基本計画との関連は言及されていませんが、SDGs推進に貢献している施設であり、再整備によってさらに価値が高まると考えます。
 加えて、近年重要視されている考え方として、「動物福祉」や「環境エンリッチメント」などの考え方があります。八木山動物公園として「動物福祉」をどのように捉えておられるのか、伺います。

 「環境エンリッチメント」は動物福祉の観点から本来の生育環境に近づけて動物にとって豊かな環境づくりを行うことです。動物本来のいきいきした姿を引き出す、環境生態展示や、行動展示を、他動物園でも人気を呼んでいます。八木山動物公園での現在の「環境エンリッチメント」の事例と、再整備でどのように充実していくのか、お示しください。

 
仙台市当局
仙台市当局

(建設局長 答弁)

 八木山動物公園の施設長寿命化再整備計画に関するご質問にお答えいたします。

 はじめに、動物福祉についてでございます。

 動物福祉の実現は、再整備計画の中でも大変重要な視点と考えており、動物が安心して幸せに過ごせるよう飼育環境の向上などを図ってまいります。

 また、環境エンリッチメントの取組みにつきましては、これまで、アフリカ園の環境生態展示や、動物が使用する遊具の設置などを行っており、再整備計画におきましても、例えば、チンパンジーの知能や身体能力の高さを引き出すため、広い展示場に木々を生い茂らせ、様々な遊具を設置し、生き生きとした姿をご覧いただくこととしております。

 今後も動物福祉の観点に配慮しながら、環境エンリッチメントの取組みを進めてまいりたいと考えております。

環境教育

いのまた由美
いのまた由美

 再整備は、展示エリアを3つにわけ、エリアを1つずつずらして改修していくことによって営業を続けながら改修する計画になっています。 エリアごとのコンセプトやテーマ性が示され、メッセージ性などの見どころが強化されるものと伺っています。エリア1は、現在も人気のアフリカ園を中心とし絶滅危惧種の保存、エリア2は生物多様性がコンセプトとなっています。これらの展示により地球規模での環境保全を学べる意味合いも強まると考えますが、再整備による「環境教育」の役割の充実について、ご所見を伺います。

人と野生動物のすみ分け、共生

いのまた由美
いのまた由美

 エリア3は日本固有種のエリアで東北の動物も展示飼育されます。人里・里山・奥山というゾーンで動物と人との共生のあり方も示されます。人里にあらわれると有害鳥獣といわれる野生動物について、仙台市でも住民の方々が被害を受けており対策は喫緊の課題となっていますが、本来暮らしていた森や山で住み分けができるよう、緩衝帯をつくるなど環境保全をしていくことが重要と考えます。野生動物との共生について、どのように見せていくのかお考えをお示しください。また、ウォークスルー型展示と伺いましたが、どのような展示方法なのか、期待される効果について、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(建設局長 答弁)

 環境教育についてでございます。

この再整備計画では、3つのエリアごとに環境教育のテーマを設定しております。

エリアⅠではアフリカを舞台として「絶滅危惧種」を、エリアⅡでは様々な動物の進化や生存戦略といった「生物多様性」をテーマとしております。エリアⅢでは「人間と野生動物の共生」をテーマとし、人里、里山、奥山に生息する動物の生態をメッセージ性を持たせて再現するとともに、獣害問題や里山の保全などに関する啓発を行います。これらのテーマ設定により、動物展示を楽しみながら、体の特徴や能力、生息地の現状や保全の重要性を学ぶことができる計画としております。

 展示手法につきましては、生息地を再現した生態展示や、動物が生き生きと躍動する行動展示に加え、カンガルーやイヌワシなどを間近で観察することができるウォークスルー展示を取り入れ、動物の息遣いや一体感を感じられる展示としてまいります。

ジャイアントパンダの誘致

いのまた由美
いのまた由美

 最後に、さらなる魅力アップとして、ジャイアントパンダの受入れが期待されています。ジャイアントパンダの誘致・展示計画の現状を伺います。現在の八木山動物公園のある場所は、かつて野球場でした。1934年には野球の神様とうたわれた二刀流のベーブルースが来日し、八木山で2本のホームランをはなちました。ホームランボールの落下地点にベーブルース像も立っています。世界がコロナ禍を乗り越えたあかつきには、国際対立や苦難を乗り越えた象徴として、ジャイアントパンダの誘致を再開して、元気や魅力をアップしていけたらと考えるものです。

 全国どこの動物園にもひけをとらない都市型動物園として、地元でもますます愛され、世界中からのお客様でにぎわう動物公園づくりを大いに期待して、私の第一問といたします。

仙台市当局
仙台市当局

(建設局長 答弁)

 ジャイアントパンダにつきましては、エリアⅡに予定地を確保し、導入の際には、レッサーパンダとの比較展示を行うこととしております。

 今回の再整備計画は園全体にわたる大規模な事業となりますが、本園の基本理念である動物を身近に感じ、楽しみ、学べる魅力ある動物園の実現に向けて、着実な事業推進に取り組んでまいります。

再質問:ジャイアントパンダ

いのまた由美
いのまた由美

 ジャイアントパンダの展示が計画に盛り込まれていることをご答弁いただきましたが、誘致の現状についてもお伺いしましたので、再質問いたします。

仙台市当局
仙台市当局

(建設局長 答弁)
 八木山動物公園に関する再質問にお答えいたします。

 パンダの誘致に関しましては、これまでも八木山動物公園の飼育員の技術力向上、研修への参加などを行って参りましたが、昨年度から新型コロナウイルス感染症の影響により、行動が制限されたことに加え、国を越えた活動をする環境にないということで、実質的には活動は行えていないという状況でございます。

 今後、感染症の収束などを見ながら再開して参りたいと考えてございます。

資料

日本動物園水族館協会(JAZA)

動物園と水族館

市民ZOOネットワーク エンリッチメント概論

動物園概論 エンリッチメントってなんだろう?

八木山から元気を届ける会

https://genki.yagiyama.jp/

八木山動物公園施設長寿命化再整備計画 概要版