医療的ケア児者の支援(保育など)について質問しました

2024年第3回定例会は、9月8日から10月4日までの会期で開かれています。議案はこちらです。いのまた由美は9月24日の決算等審査特別委員会(第一分科会)で、健康福祉費について質問しました。

ここに質問と答弁のメモ(その1)を掲載します。正確な記録ではないということをご了承ください。録画配信や会議録が出たらそちらをご参照ください。

医療的ケア児支援

医療的ケア児保育

いのまた由美
いのまた由美

市立保育所32か所、私立保育施設119か所、決算年度をはさんだR4年度からR6年度における、保育施設の医療的ケア児(医ケア児)の受入施設数と、受入人数を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長
令和4年度 受入可能施設数9 実際に受入は2施設・5名

令和5年度 受入可能施設数10 実際に受入は3施設・8名

令和6年度 受入可能施設数11 実際に受入は4施設・8名

いのまた由美
いのまた由美

決算年度に、医ケア児に係る保育所入所申請者に対して、利用に至らなかった人数とその理由を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・令和5年度における医療的ケアを含む特別支援保育の申請では、特別支援保育審議委員会による審議により、施設利用に至らなかった児童は、2名である。

・その理由は、1名は、免疫力が弱く感染症への感染時に重症化するリスクがあること、1名は、病気の重症化に伴い体調が安定していないほか、医療器具が外れた場合、生命の危険が生じうること、苦痛を感じたとき等に言葉や動作で大人に発信することが難しいことから、それぞれ審議委員会において、集団保育における安全性の確保が困難と判断されたものである。

【医療的ケア】特別支援保育(プラス支援保育)

3歳以上児への酸素療法(酸素吸入)も医療的ケアの対象に加わりました

いのまた由美
いのまた由美

令和7年4月からの利用に向けた保育所入所の一斉応募より、医ケア児受入れ対象が広がり、今年9月には「保育施設における医療的ケア児受け入れに関するガイドライン」も変更されましたが、その変更点と変更理由を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・令和7年度の入所より、医療的ケア児の受入対象に、3歳以上児への酸素療法を加えることとし、9月12日より申請の受付を開始したところである。

・変更の理由は、保護者等から受入れに関してご要望をいただいてきており、本市としては、受入れに向けて、安全に保育を提供するために必要となる事項の確認を行いながら、特別支援保育審議委員会において医師や学識経験者、保育関係者等からのご意見を伺い、今回の拡充に至ったものである。

いのまた由美
いのまた由美

受入対象の医療的ケアの種別を広げる変更に伴い、どのような体制確保や整備をされていますか。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・医療的ケア児の受入対象に酸素療法を拡充するにあたっては、看護師が医療的ケアの手順や実施上の注意点を学びケア技術の向上を図る研修の開催を予定しているほか、必要となる機材の確保、災害時の対応計画等の策定などの準備を行い、安全を確保しつつ適切に保育を提供することができる環境を整えてまいる。

公立保育所以外の、未就学医ケア児の通いの場について

いのまた由美
いのまた由美

民間の保育施設で、医ケア児の受け入れ可能施設を増やすために、本市として行っている取組についてご説明ください。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・民間保育施設における医療的ケア児の受入れを増やすためには、定期的に看護師のケア技術の向上に資する研修を実施するほか、本市の特別支援保育の専門職員が、医療的ケア児を受入れている施設を巡回し、ケア児への保育に関することや保護者対応等について助言を行うとともに相談をお受けしている。

・民間保育施設への看護師配置にかかる費用や、医療的ケアに要する備品への補助等を行うなど、環境整備に向けた支援も行っているところである。

いのまた由美
いのまた由美

幼稚園での医ケア児の受け入れの現状や、宮城県では幼稚園が医ケア児を受け入れるにあたってどのような補助をされているのか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:幼稚園担当課長

・幼稚園での医療的ケア児の受入れに関しては、各園の判断によるところとなっており、その詳細については把握していないところである。

・幼稚園における障害児や医療的ケア児にかかる特別支援教育への支援は宮城県が所管しており、文部科学省の要綱に基づき補助金を交付している。

・特別な支援を要する児童を5月1日時点で受け入れている園に対しては、児童1名あたり年額78万4千円が助成されているものと承知している。

いのまた由美
いのまた由美

未就学児が集団生活を経験することの効果

いのまた由美
いのまた由美

医ケア児が集団生活を経験することによって、こどもたちの心身の発達や育ちに対してどのような効果があるでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・保育所の集団生活による効果としては、医療的ケア児が、同年代の子どもとの関わりを通じて、コミュニケーション力など社会生活に必要な基礎的能力を養っていくことはもとより、周囲の子どもたちにとっても、相互交流を通じて多様な個性がある児童との関りを学び、思いやりの気持ちを育むことで人間性を豊かにするなど、子どもの学びと成長を促すことにつながるものと考えている。

医療的ケア児保育の、ケアの種類や年齢による制限をなくし、対象を拡大すべき

いのまた由美
いのまた由美

R3年に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(通称・医療的ケア児支援法)」が制定されましたが、その目的には、「医ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止とあります。家族の離職防止は、育休期間内に保育園入所を決められるかどうかにかかっています。保育を必要とする人が保育を受けられるよう、可能な限り支援をする責務が市町村に課されています。受入れ対象が広げられたことを評価します。

しかし、受け入れられる医療的ケアの種別を限定して明示していることや、一部の医療的ケアが必要なこどもの入所年齢を3歳からと示していることは、妥当ではないと考えます。在宅で家庭で医療的ケアを伴いながら生活できているこどもの、その家族が就労継続などの事情があって保育を利用することを希望していることを踏まえて、更なる対象拡大を検討すべきと考えますが、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・3歳以上児を対象としている喀痰吸引や酸素療法のケアについては、児童が苦痛を感じたとき、または困った時に、子ども自身が言葉や動作で周囲の大人に伝えることができるようになる年齢からの受入れとしている。

・対象とするケアの種類やお子さんの状態については、集団生活を行う保育所の環境で安全にお預かりするために、特別支援保育審議委員会のご意見を伺いながら、一定の要件を定めているところである。

・医療的ケア児の受入れを増やすため、この度、酸素療法のケアを追加したところであり、まずは、拡大後の状況を見ながら、関係者等のご意見を踏まえ、引き続き受入れ対象となるケアの種類などの要件について検討してまいりたい。

いのまた由美
いのまた由美

医ケア児家庭の保育ニーズの把握

いのまた由美
いのまた由美

医療的ケア児支援法においては、「政府は医療的ケア児の実態を把握するための具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と附則がありますが、実態把握のために統一的な具体的な方策はいまだ示されておりません。そういった中でも、都道府県や市町村において自主的な支援の推進が求められています。
本市では、医ケア児家庭の保育のニーズの把握をどのようにおこなっているのでしょうか。今後の保育所体制整備を進めていくためにも、ニーズを吸い上げていくことが重要と考えますので、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・医療的ケア児の保育ニーズについては、アーチルを通じて、アーチルに繋がっている家庭の保育所利用意向を確認しているほか、関係機関、保護者の会や事業者からの委員で構成される本市医療的ケア児者等地域支援連絡会を通じて把握に努めているところである。

区役所の窓口対応

いのまた由美
いのまた由美

保育を必要としている家庭では、リーフレットでご自分が対象かどうかご覧になるでしょう。対象から外れているかもしれない、と感じながらも何とかしてほしいという思いで区役所窓口に問合せをするのではないでしょうか。申請に至る前の方に、どのような対応をしているのか伺いたいです。問い合わせをしたら、対象とはならないと断られているので、入所希望者が少ないとニーズが低く見積もられてはいないでしょうか。窓口へ問い合わせをされている人数や対応をお尋ねします。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:運営支援課長

・区役所では、利用案内に基づき医療的ケアの種類ごとに対象となる要件などを説明し、その際に保護者からいただいた制度に関するご意見等は、制度を所管する本庁担当部署にも適宜共有されているところである。

・令和5年度において、ご相談やお問い合わせがあったものの、医療的ケアの申請に至らなかった件数は、区の記録にあるものとして、4件確認された。

・そのうち、申請をしなかった理由が把握できているものは3件で、うち1件が、インスリン投与のケアが必要な児童について、その後の両親による話し合いで児童発達支援センターを利用することとなったもの、残りの2件が、喀痰吸引のケアが必要であるが、集団保育における安全性の確保が難しいことにより、対象要件を満たさなかったものである。

いのまた由美
いのまた由美

保育の受入対象とならないため児童発達支援を利用している就労希望家庭があるのではないか

いのまた由美
いのまた由美

本市の児童発達支援事業を利用されている方のうち、医療的ケアを伴う未就学児の人数を伺います。

仙台市当局
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答弁:参事兼北部発達相談支援センター所長

・児童発達支援事業を利用している方で、医療的ケアを伴う未就学児は、9月19日現在で32名となっている。

いのまた由美
いのまた由美

児童発達支援を利用している方の中には、保育施設の受入れ対象になっていないから、児童発達施設の利用をしている医療的ケア児が一定いると、私は聞き及んでいます。就労の希望があるのかなど、保育の潜在ニーズについて聞き取りをすることはあるのでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

・児童発達支援センターを利用している児童については、幼稚園、保育所など次の通いの場の進路相談において、保護者の就労の希望の有無などを聞き取っているところである。

 そのなかでは、育児休業終了に伴い復職を望む声や、受け入れ先があれば保育所等を利用し就労したいなどの声を把握している。

医療的ケア児の居宅訪問型保育の受け入れの拡充を

いのまた由美
いのまた由美

本市の居宅訪問保育の現状と、受入れ人数を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:幼保企画課長

・本市の居宅訪問型保育事業は、特別支援保育の利用に至らなかった場合など、障害等による支援の程度や疾病の状況を勘案して、集団保育が困難であると認められる児童を対象に、自宅において1対1で保育する事業である。

・令和5年度から児童福祉法に基づく認可事業として開始しており、現在の状況といたしましては、運営事業者数は1事業者で、定員2名に対して利用児童数は2名となっている

いのまた由美
いのまた由美

1事業所で定員2名、現在2名が利用している。枠が少なく、どんなに保育の必要性があったとしても、利用できない方がでています。居宅型訪問保育の事業者や受け入れ枠を増やす取組を進めるべきです。お伺いします。

仙台市当局
仙台市当局

・居宅訪問型保育事業については、現時点で、新たに事業認可を受けて参入する意向を示している事業者はなく、現在の事業者の受入れ枠を増やすことについても、人材確保などの面から難しい状況であると伺っている。

・その要因としては、本事業は、保育施設ではない場所で、医療的ケアが必要な児童の体調管理や緊急時対応等も含めた1対1の保育を提供する高い専門性が求められることなどが考えられることから、受入れ枠の確保に向けては、他都市の取組状況を調べてまいるとともに、引き続き、現在の事業者とも意見交換を重ねてまいりたい。

いのまた由美
いのまた由美

例えば23区では実施できている事業者もあるので、参入の働きかけを続けてください。

医ケア児家族が取り残されない保育施策を

いのまた由美
いのまた由美

保育が必要な医ケア児の家族に、よりそって、どうしたら保育の体制を作れるかという姿勢で、当事者や関係機関等とコミュニケーションを重ね、保育の拡充に取組んでいっていただきたいです。

先日市内の、医療的ケア児を受け入れている公立保育所を見学させていただきました。看護師さんからも、主治医とのやりとりや、看護師同士でケアの安全性や質を高めるために情報交換をしている旨をお聞きしました。また、こども本人の自立を促しながら看護師がケアを行う様子や、その他の時間は医ケア児も集団の中の一人として時間を過ごしている様子を拝見しました。医ケアが必要であっても、保育所で過ごし育つ、元気いっぱいのきらきらしたこどもたちの中の一人です。必要なすべてのこどもに良質な保育を提供することで、安心してこどもを産み育てられるまちになれます。医ケア児家族が取り残されない保育施策をすすめていくべきですが、今後の展望を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:こども若者局長

・平成20年度に一つの民間保育園で導尿ケアの必要なお子さんの保育を開始し、翌21年度に仙台市として看護師の配置を行い、導尿や経管栄養のケアが必要なお子さんの保育に対応してきた。

・平成29年度には、医療的ケアが必要な児童を障害児等保育事業、今でいう特別支援保育事業の対象として要綱に位置づけ、この間、インスリンの投与、血糖値の測定、喀痰吸引や人工肛門のストーマ管理のケアを対象とするなど、その範囲を着実に広げてきたところである。

・さらに、本年4月からは重度障害児等の受入れを行っているほか、令和7年度からは、医療的ケアの対象に酸素療法も加えるなど、多様な保育需要に対応するとともに、全ての児童の個性を大事に、ともに学び育ち合うインクルーシブの考えに基づき、保育所での受入れを推進してまいる。

・このように対象を拡大し、保護者の皆様の就労ニーズ等にお応えすることと同時に、児童の保育に当たっては、何より安全確保を第一に、適切な保育サービスを提供できる人材の確保や環境整備を進めてまいる必要があるものと考えている。

・今後とも、保育所において、より多くの医療的ケアを必要とする児童を受け入れることができるよう、保育環境の充実に取り組んでまいりたい。

いのまた由美
いのまた由美

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