医療的ケア児等のケアを家族で担い切れなかった事案を受けて、質問しました

2024年第4回定例会は、12月6日から12月23日までの会期で開かれています。議案はこちらです。いのまた由美は12月17日一般質問二日目に登壇しました。

ここに質問と答弁のメモを掲載します。一括質問ですが、わかりやすいように質問と答弁を対応させて表示しています。正確な記録ではないということをご了承ください。録画配信や会議録が出たらそちらをご参照ください。

医療的ケア児等と家族への支援

いのまた由美
いのまた由美

立憲民主党仙台の、いのまた由美です。一般質問をいたします。


先月、障害のあるこどもの母親が逮捕された全国ニュースが2件ありました。どちらも兵庫県の事案ですが、一つは、たんの吸引が必要な8歳の娘を半日自宅に置き去りにして窒息死させたとして、母親が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕されたものです。二つ目は、障害のためほぼ寝たきりの中学生の息子に必要な保護をせず重度の床ずれを生じさせたとして、母親が保護責任者遺棄致傷の疑いで逮捕されたものです。母親は「病院に連れて行かないといけないと思いましたが、肉体的にも精神的にも余裕がありませんでした」と容疑を認めているとのことです。

 

医療的ケアを必要とするこどもや重い障害のあるこどものケアを家庭で担いきれず、周囲が支えきれなかったことに、大変心が痛みます。事案として現れる以外にも、困難を抱えて綱渡りで暮らしていることを、本市でも伺うことがあります。アーチルの相談で把握している本市の在宅の重症心身障害児者数は、本年5月現在で、医療的ケアが必要な方が202人、医療的ケアのない方が307人となっています。

 

ケアを家庭で担いきれない状態を早期に把握し、解消していくために、どのようなサポートが必要なのかを考え、取組をすすめることを求めて、以下、一連の質問をいたします。

医療的ケア児等に対するネグレクトと捉えられる状態の予防や発見について

いのまた由美
いのまた由美

こどものネグレクト等を認知した場合の緊急対応は児童相談所がおこないます。安全の緊急確保等のために一時保護をし、その後に保護者の援助をします。それは医療的ケアなど手厚い配慮が必要なこどもの場合でも同じですが、体制が整った保護先がないと措置できません。養育困難リスクは、身体障害のある子どもでは4.3倍、知的障害のある子どもでは13.3倍というデータもあります。本市では、医療的ケアや手厚い支援が必要な障害児に対する「虐待」とされる状況に対し、どのように予防や発見に努めているのか、また一時保護等の緊急対応の体制の実際について、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

こども若者局長

はじめに医療的ケアが必要な子ども等に対する虐待の予防や発見について。低出生体重児や先天的な疾患のあるこどもについては、退院後に円滑な支援につなげられるよう医療機関から各区家庭健康課等に情報提供いただき、家庭訪問を行うなど地域での生活に向けて支援をおこなっております。また、幼児健診等の機会を通じて、医療的ケアが必要なこどもや障害のあるこどもを把握をした際には訪問や電話による生活状況の確認をおこなうなどにより、支援が必要な家庭の早期発見につとめ、虐待の未然防止に取り組んでいるところでございます。

 

医療的ケアが必要なこどもの一時保護について。児童相談所では医療的ケアが必要なこどもについても他の虐待事案と同様に24時間体制で対応をしております。なお、医療的ケアが必要なこどもについては、医療従事者が常駐している障害福祉施設や医療的巻等へ委託しており、障害のあるこどもについては障害の程度に応じて一時保護所での保護、もしくは障害福祉施設への委託を実施しているところです。今後とも一時保護を必要とするこどもの状態に応じ、適切なケアを確保してまいります。

 

 

障害のあるこどもの家庭負担に関する男女共同参画の視点からの認識

いのまた由美
いのまた由美

障害のあるこどもの家庭では、ケアにかかる時間や身体的、精神的、経済的負担や制限が大きいのが現状です。医療的ケア児の家庭では、日中夜間を通してさまざまなケアが必要なため約半数がかたときも目が離せず、恒常的に睡眠不足である状態や、医療的ケア児の主な介助者は94%が母親で、母親の就労率が低いなど調査が多々あります。働きに出ることは、単にこどものケアから解放される時間を得るだけでなく、一人の女性として社会の一員となり精神的健康度が高くなると考察されています。就労を望んでも困難であると、母親は社会とのつながりを実感できず、焦燥感、悔しさ、自己不全感を感じ、メンタルヘルスへの影響が懸念される状態になる場合があり、子育てにも影響します。就労している場合もフルタイムを続けられず、短時間のパートに転職するなどがみられます。

子育てや障害に起因するケアは、当然母親が担うものであるとされると、母親は孤立し、より困難な状況に置かれます。きょうだいや夫婦間のトラブル等の心のケアも求められています。


これら、困難を抱えている障害児の母親に対して、男女共同参画社会の実現をめざす観点から、どのように認識し、改善につなげていきますか。ご所見を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長

障害のあるこどもを持つ母親を含め多くの場合において、女性に家事や育児の負担が偏ってしまうことは、固定的性別役割分担意識の考え方が影響しているものと受け止めています。今年度、困難を抱える女性を支援し、その効果を検証する事業として、民間団体等への補助制度を開始し、対象の一つして障害を持つ母親の支援を行う団体を選定いたしました。今後この団体の取り組みの効果や課題を関係部局と共有するとともに、引き続き様々なアプローチにより困難を抱える女性への支援を進め、男女共同参画社会の実現に向け取り組んでまいりたいと存じます。

正確な会議録や録画配信はこちらです

上記質疑はいのまた由美作成のメモより掲載しており、当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。正確な会議録はこちらから検索できます。

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録画中継も視聴できます。「いのまた由美/令和6年第4回定例会/12月17日/本会議(一般質問)」をご覧ください。

仙台市議会インターネット議会中継
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