2025年第1回定例会は、2月7日から3月13日までの会期で開かれています。議案はこちらです。いのまた由美は予算等審査特別委員会の2月27日「健康福祉費」等と3月6日「教育費」等の審査に登壇しました。

ここに質問と答弁のメモを掲載します。正確な記録ではないということをご了承ください。録画配信や会議録が出たらそちらをご参照ください。
医療的ケア児者向け非常用外部電源購入費補助
補助金の内容(対象者、対象物品、補助額)と周知方法

在宅人工呼吸器使用者等非常用外部電源購入補助金 1046万円余 と関連する内容について伺います。 災害による停電によって在宅生活で使用している医療機器を使用できなくなると生命の危機に直結する方々がいます。インクルーシブ防災の取組は自治体まかせになっているなかで、今回新たに、非常用外部電源購入補助が予算化されたことは、本市のインクルーシブ防災の一歩前進となると歓迎します。この補助金の内容をご説明ください。

障害者総合支援センター所長:
医療的ケア児者向け非常用外部電源購入費補助は、人工呼吸器等の電源を必要とする機器を使用して在宅で療養生活を送る医療的ケア児者に対し、災害等による停電発生時において命を守るため、非常用外部電源購入費の一部を補助するものです。
人工呼吸器、酸素濃縮器、たん吸引器のいずれかの使用者を対象とし、支給対象物品は、ポータブル電源、インバーター発電機、DC/ACインバーターのいずれかで補助率は購入価格の9割とし、上限額を67,500円といたします。
また、災害時個別計画パーソナルプランの作成を要件とし、未作成の方には、障害者総合支援センターが作成を支援してまいります。

ポータブル電源や発電機など補助対象になる物品の選び方や、その使用方法、また耐用年数後の買い替えをどうするかなど、補足してお伝えすることや取扱いの注意点も多いと思われます。補助金の制度が新設されたことや注意点の周知が必要ですが、どのように周知していくのでしょうか。伺います。

周知については、本市ホームページや市政だよりにより、制度を広くお知らせする記事を掲載する予定としているほか、医療機関、地域包括支援センター、障害者相談支援事業所等にチラシを配架する予定としております。
また、当事者・家族・支援者の関係団体への説明も予定しており、より多くの方に補助制度をご利用いただけるるよう、丁寧な周知を行ってまいります。
機器の選択にあたっては、対象者が3種類から適切に購入できるよう、機器の特性等をチラシに記載するとともに、不明な点があれば、障害者総合支援センターが相談に応じてまいります。
災害時個別計画・パーソナルプラン
災害時個別計画・パーソナルプランとは。なぜ作成が必要か。

補助申請の際に要件となる「パーソナルプラン」とはどのようなものか、また、なぜ補助の要件にしたのか、ご説明ください。

パーソナルプランは、医療的ケアが必要な方など、災害時に手厚い支援を要する方々が、安全に避難し、または避難生活が送れるよう、必要な備蓄や具体的な避難方法などについて、本人・家族・支援者の間で予め確認・共有しておくために作成するものです。
また、平時から非常用外部電源の動作確認を行うなど、災害時に確実に使用できるよう備えておくことが必要不可欠であることから、パーソナルプランの作成を補助要件としたものでございます。

補助金を申請するときに窓口で書ける程度のパーソナルプラン全部作成だけではなくて一部分の作成でも申請していただくということですけれども、このことをきっかけにパーソナルプランの全体作成に繋がって、防災減災の意識が高まることは有効だと考えています。障害者総合支援センターがこれまで他の常時人工呼吸器が必要な方に関わってきておりますが、その際難病・障害のある方の災害時の備えには、どのような課題があると把握されているでしょうか。

東日本大震災時に自宅避難をされていた医療的ケア児者のご家族へのヒアリングでは、本人については、必要な物品の準備が十分な方がいる一方で食料品等が不足する方がいたこと、また、家族については、本人へのケアのため外出できず、家族用の食料や日用品が不足することが多かったと伺っています。
こうしたことから、本人以外の家族に必要な備えについても予め確認し、
本人・家族・支援者で共有することが大切となります。
作成したプランを、災害時の備えに活かしていくために

パーソナルプランを作成して、それを実効性のあるものとして活かしていくために、プラン作成後にどのようなことが必要でしょうか。

パーソナルプラン作成後は、ご本人・ご家族・支援者の間で避難方法やポータブル電源などの機器の操作など、緊急時の対応を確認・共有するとともに、本人の心身の状態や避難先の状況等の変化に応じたパーソナルプランの見直しを定期的に行う必要がございます。

プランの共有と定期的な見直しということですね。家族だけでなくて支援者にも共有、そして病院や医療機器の会社だったり、必要に応じて民生委員や地域の役員さんや近隣の住民にも繋がっていくことが必要と考えます。そして、発災時の非常用電源のテストなど、プランの中身を検証や改善・見直しをしていくことが必要だと、ご当局もおっしゃいますが、私もそのように思います。こういったパーソナルプラン作成を通した一連の行為に関しては、これまで本市が取組んできた中では各区の保健師さんが関わって作ってきたということですが、それ以外にも訪問看護師や相談支援専門員など福祉専門家の関わりが継続的に有効だと考えます。今後は、危機管理局の個別避難計画を作成していくにあたって、再来年度以降は福祉専門職への委託補助もされていくという考えもお聞きしましたけれども、こちらのパーソナルプランにおいても同様に委託費をつけて職務として支援者が関わることも求めていきたいと思います。平時のケアと連続性をもって発災時の動き、訓練、確認するなどパーソナルプランを活かして進めていっていただきたいと思います。
難病・障害のある方々にむけた災害時の備えの啓発や研修、防災訓練を進めよ

次に、難病・障害のある方々にむけた、災害時の備えの啓発や研修、防災訓練について、事例がありましたらお示しください。

行政機関が関わった事例として、パーソナルプランの普及を進めたいとの、医療的ケア児者の保護者の声を受け、障害者総合支援センターと発達相談支援センターの職員も参加し、災害時の備え等を一緒に考え、プランを作成するワークショップを令和7年2月に行いました。
また、宮城県難病患者・家族団体連絡協議会主催の防災をテーマにした昨年
12月の医療相談会において、減災推進課と障害者総合支援センターが参加し、ハザードマップの見方やパーソナルプランの説明を行い、参加者と一緒にパーソナルプランを作成いたしました。

保護者の方や家族の方、そして危機管理局なども関わって、研修やパーソナルプランの作成の動きが進みつつあるというこということで、このまま進めていただきたいと思います。
また、その中で、「医療的ケア児者の災害時の備え」という冊子、
令和4年度に設置された仙台市医療的ケア児者等地域支援連絡会・作業部会というところで作成し、アーチルが発行したものですが、こういったものも活用されたと伺っています。災害時の備えを進めていくために、ぜひ活用していっていただきたいと思います。
先ほどの事例のような家族の取組など、進めていくべきです。また身体障害や知的障害・精神障害・聴覚障害・視覚障害など障害の種別ごとに必要な配慮や備えがそれぞれありますし、もちろん個別性も高いので丁寧に取組を進めていくことが必要です。当事者や支援者の方々とこういった課題を共有して、パーソナルプラン作成に活かして、災害時への備えを進めていくべきです。ご所見を伺います。

相談支援担当部長:
医療的ケアなど、災害時に手厚い支援が必要な方々の心身の状態像は様々であり、また、生活環境や支援者の状況もそれぞれ異なることから、パーソナルプランの作成は大切なものと考えています。
ワークショップ等に参加した当事者や家族からは「手動吸引器は車椅子に常時積んでいることを支援者と共有しておきたい」など、実際の作成を通じてパーソナルプランの必要性を実感できたとの声をいただきました。
今後は、障害特性に応じた災害時の備えのために、どのような取組みが有効か、家族会や支援者の意見も伺いながら、取り組みを進めてまいります。
正確な会議録や録画配信はこちらです
上記質疑はいのまた由美作成のメモより掲載しており、当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。正確な会議録はこちらから検索できます。
録画中継も視聴できます。「いのまた由美/令和7年第1回定例会/2月27日/予算等審査特別委員会」をご覧ください。
参考情報
仙台市 災害時個別計画(パーソナルプラン)様式など

仙台市障害者総合支援センター(ウェルポートせんだい)

必見 仙台市発行 『医療的ケア児者の災害時の備え』冊子
仙台市 発達相談支援センター(アーチル)「医療的ケア・医療的ケア児等コーディネーター」のページより


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