「重度障害者等就労支援特別事業」一般質問しました

2021年9月9日から10月12日までの34日間の日程で、第3回定例会が開会中です。

私は9月17日の一般質問に登壇しました。一般質問と答弁要旨をいくつかの投稿に分割して掲載します。こちらは、その2です。当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。「一括質問」の形式ですが、ここではトピックごとに質問と答弁が対応するように入れ替えをして掲載しています。

その1「私たちは『買われた』展 仙台」

私たちは「買われた」展仙台 一般質問しました
2021年9月9日から10月12日までの34日間の日程で、第3回定例会が開会中です。 ・令和3年市長提出議案・当初提出議案・議員提出 議案-無し・議員提出 意見書・決議 私は9月17日の一般質問に登壇しました。一般質問と答弁要旨をいくつかの

その3「八木山動物公園再整備」

八木山動物公園再整備について一般質問しました
2021年9月9日から10月12日までの34日間の日程で、第3回定例会が開会中です。 ・令和3年市長提出議案・当初提出議案・議員提出 議案-無し・議員提出 意見書・決議 私は9月17日の一般質問に登壇しました。一般質問をいくつかの投稿に分割

録画配信や会議録

質問の3営業日後(9月24日以降)は録画中継も視聴できます。

仙台市議会インターネット議会中継
仙台市議会インターネット議会中継

「いのまた由美/令和3年第3回定例会/9月17日/本会議(一般質問)」をご覧ください。
正式な会議録がホームページに公開されるのは12月頃と思います。

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仙台市議会で行われた会議の内容を検索できる。

 

重度障害者等就労支援特別事業

なぜ障害福祉サービスは就労や通勤通学につかえないのか

いのまた由美
いのまた由美

次に、障害者の就労支援について伺います。

 身体障害のある青年の家族から、当事者が生活するために必要な介助は就労中や通勤、通学には使えないとの相談を受けました。なぜ障害福祉サービスが就労中や通勤通学に使えないのか、その代替としてどうしたらよいのか、ご当局は当事者にどのようにご説明しているのでしょうか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(健康福祉局長 答弁)

 障害福祉サービスの取扱についてでございます。

 就労中の介助については、事業主が合理的配慮として確保するという考え方のもと、必要に応じて事業主が国の助成金を活用し、ヘルパーを配置すること等が可能でございます。

 また、通勤・通学時の支援については、事業主や学校が送迎手段を確保できない場合、個別の対応が必要となりますが、短期のものを除き障害福祉サービスの対象外とされております。

 当事者の方からのご相談に対しましては、このことをご説明するとともに、個別の事情を丁寧に伺った上で、事業主や学校とも相談し、代替策を検討することとしております。

障害者が働くために欠かせない制度についての情報提供

いのまた由美
いのまた由美

 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)による、企業や事業所への助成金は、現状でもありますが、雇う側の手続きの煩雑さもある上に、働く側もこの助成制度を知らないという現実もあります。障害者等が働くために欠かせない障害福祉サービスや助成金の利用方法の情報提供は、どのようになされているのでしょうか。現状は情報提供が不十分であると考えますので、健康福祉局と教育局に伺います。

 本市には「仙台市障害者就労支援センター(はたらポート仙台)」があり情報提供をしていますが、その利用状況や実績を伺います。私へ相談くださった方は長年困っていらっしゃったのに、はたらポート仙台には相談したことがないとお聞きしましたので、どのようにセンター事業を案内しているのかも、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(健康福祉局長 答弁)

 助成制度の情報提供についてでございます。

 重度訪問介護の利用者等を雇用する事業主への助成金制度は、独立行政法人である高齢・障害・求職者雇用支援機構が実施しており、これらについては労働局やハローワークを通じて事業主へ情報提供されております。

 また、就労を希望する障害者の方に対しましては、仙台市障害者就労支援センターや就労移行支援事業所が、就職活動の支援の中でご案内しているところでございます。

 必要な情報を、確実に事業主と就労を希望する方へお届けできるよう、引き続き適切な情報提供に努めてまいります。

仙台市当局
仙台市当局

(健康福祉局長 答弁)

 仙台市障害者就労支援センター、はたらポート仙台についてでございます。

はたらポート仙台では、障害者の就労に関する相談支援、企業等への啓発など、障害者の就労を総合的に支援しております。令和2年度には、620名の方にご利用頂き、このうち43名が一般就労につながっているほか、これまでに一般就労した方141名の定着支援などを行っております。

 はたらポート仙台については、これまでも、特別支援学校や障害福祉サービス事業所等へのパンフレットの配布や、本市ホームページでのご案内などを通じ、事業内容の周知を行っておりますが、なお引き続き周知に努めてまいります。

仙台市当局
仙台市当局

(教育長 答弁)

 障害児等への障害福祉サービスの情報提供についてでございます。

 鶴谷特別支援学校高等部では、保護者を対象として、健康福祉局の職員による障害福祉サービスに関する説明会や、卒業生の保護者を招いて卒業後の生活についての話を聞く会などを行っております。

 また、生徒に対しては、学校が独自に作成した「進路指導の手引き」を活用し、一人ひとりの状況に応じた進路指導を行っております。

 引き続き、就労に向けて、生徒、保護者それぞれに対して、適切な情報提供に努めてまいります。

先行自治体・さいたま市の重度障害者就労支援事業

いのまた由美
いのまた由美

 さいたま市では、重度障害者の方から、就労中に必要な介助を制度上受けることができないという声が上がっていました。「トイレに行けないために水分補給をしないなど無理して働き、身体に負担がかかっていた」と当事者から話を聞かせていただきました。要望や議会での議論を経て、さいたま市では2019年に重度障害者の就労支援事業の独自制度が作られました。2名の利用から始まり、現在は7名が利用して働いています。それを追うかたちで、国でも2020年10月に「重度障害者等就労支援特別事業」が制度化されました。手上げ式で全国の市町村の地域生活支援事業として実施可能となったことから、昨年夏には13市町村が手上げを予定していました。本市も事業実施を検討しているとのことですが、制度の概要や検討状況を伺います。

 就労支援特別事業の創設は、「一歩前進」だと評価する声があります。その一方で、雇用施策としての助成金と福祉施策としての市町村事業とを組み合わせて実施していくという、仕組みの複雑さも指摘されています。対応が必要と考えますが、所見を伺います。

視覚障害者、家族介護中心の方など、当事者からの声

いのまた由美
いのまた由美

 事業の対象者は、重度訪問介護・同行援護・行動援護の利用者です。同行援護を利用して通勤する方の例として、視覚に障害がある方がおります。当事者に聞くと、就職活動をしても職場に自力で通勤することが条件とされることがあり、働くスキルがある方でも門が閉ざされそこで諦めてしまっている事例があるとのことです。仙台市視覚障害者支援センター等に寄せられている就労に関わる事例を伺います。

いのまた由美
いのまた由美

 就労支援特別事業の実施検討段階から、当事者の就労状況や希望などを調査し、意見を反映したサービスにすることを求めます。
 また現在、常時介助が必要でも家族介護を中心にして在宅就労をしている方もいらっしゃいます。常時見守り等介助が必要な方には重度訪問介護への移行や、望む方には介助付きの就労ができるよう、計画相談・支給申請のご案内も必要と考えますが、所見を伺います。

市長の答弁

仙台市当局
仙台市当局

(市長 答弁)

 重度障害者等就労支援特別事業についてお答え申し上げます。

 この事業は、重度の障害のある方への就労支援として、国の独立行政法人が実施する雇用施策と、市町村が実施する福祉施策とが連携をして、職場での業務に必要な補助や介助に併せ、通勤の支援を行う、というものでございます。

 本市の視覚障害者支援センターにおきましても、働くスキルがあるものの、一人で通勤することが難しいという方が、事業主の配慮によって、送迎車を確保できたという事例もあったと伺っているところです。この事業はこうした取り組みを後押しすることにつながり、比較的障害の重い方の就労を促進するうえで大変効果的なものと考えています。

 一方、担当局において、先行する自治体の実施状況の確認や、訪問介護事業者への調査などを行う中で、仕組みの複雑さや、また複数のサービスを調整する相談支援員の関わりなどの課題も見えてきたと聞いております。

 今後、把握した事例や課題なども踏まえつつ、障害のある方々が自らの能力を活かし就労していくうえで、より望ましい環境が実現できますよう、引き続き検討を進めてまいります。

資料

厚生労働省 社会保障審議会 (障害者部会)

社会保障審議会(障害者部会)

R2.8.28 厚生労働省資料「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」の実施に向けた対応状況等について

クリックして000675279.pdfにアクセス

R2.6 厚生労働省解説動画「令和3年度 さらに進める重度障害者等に対する通勤や職場等における支援について