2022年2月8日から3月14日の日程で、第1回定例会が開会中です。議案等はこちらです。予算等審査特別委員会の日程はこちらです。
インクルーシブ教育・医療的ケア児支援
「仙台市特別支援教育推進プラン」の次期プランの策定が始まります
私からは、教育費の主要事業・特別支援教育推進のうち「仙台市特別支援教育推進プラン策定 73万円」という予算について伺います。この内訳と、プラン策定の概要をご説明ください。
本市では平成30年3月に「仙台市特別支援教育推進プラン2018」を策定し、特別支援教育の充実に向けた施策を展開してまいりました。この計画は令和4年度までとなってございますので、令和5年度以降の次期プランを策定する必要がございます。そのため「特別支援教育推進プラン検討委員会」を設置することとし、委員謝礼41万円と印刷製本費32万円の予算を計上したところでございます。
「特別支援教育推進プラン」は、障がいのある子どもたちだけではなく全ての子どもたちにとって、必要な学びを推進するための基礎となると認識しています。違いのある多様な人どうしが共に学び共に生きることや、個別最適化された教育など、特別支援教育のすがたがどの子にとっても適切な教育のすがたであると、考えるからです。
医療的ケア児は、学校に通学できているのでしょうか
今回は、特に医療的ケア児の支援について質問をしていきます。2月28日に健康福祉費の審査でも私のほうで取り上げましたが、昨年「医療的ケア児支援法」が成立し9月から施行されています。この法律は医療的ケア児や家族が適切な支援を受けられるように、国や自治体等の責務を明らかにしています。医療・保健・福祉・教育・労働等の切れ目ない連携が求められ、学校の設置者は、在籍する「医療的ケア児が、医療的ケア児でない児童と共に教育を受けられるよう最大限に配慮」して、適切な支援を行う責務を有するということも明示されました。
仙台市立の小中学校と特別支援学校には、医療的ケアを必要とする児童生徒は何名が通っていますか、伺います。
令和3年5月1日現在、医療的ケアを必要とする児童生徒は、特別支援学校に10人、小学校に15人、中学校に3人、の合計で28人となっております。
全国的にこれまで、医療的ケア児は学校に受け皿がないために通学できず、自宅に教員が訪問して学ぶという方法を、とらざるを得ないという事例も少なからずあります。本市の現状について確認をいたしますが、先ほどあげていただいた児童生徒数は、訪問籍ではなくて、全員通学籍ということでよろしいでしょうか、確認をいたします。
医療的ケアを必要とする児童生徒28人が在籍する全ての学校に看護師を配置し、通学して学習ができるよう環境を整えております。
仙台市立の学校においては原則、訪問籍と確認しました。ただし、仙台市内に住所があり、一律以外の県立や国立、私立の学校ではどうかということは別途捉えていかなければいけません。
医療的ケア児への、必要な配慮や学ぶ場を、どうやって決めているのでしょうか
医療的ケアが必要なお子さんが学校に入学する際には、どのような手順で、必要な配慮を受け、学びの場を決めているのでしょうか。伺います。
障害のあるお子さんにつきましては、小学校に入学する前年度の8月に「教育相談会」を実施しており、看護師の配置や学びの場についての相談を行っております。
そのうち、医療的ケアが必要なお子さんについては、主治医の意見等を参考に、仙台市就学支援委員会で審議を行い、対象となるお子さんに看護師を配置しております。
人工呼吸器の管理技術の向上など、学校看護師や学校への支援は?
人工呼吸器など呼吸の管理は特に命に直結するものであり、取扱い技術の向上が必要です。人工呼吸器の管理やケアが必要な児童生徒は何人いらっしゃるのでしょうか。
医療的ケア対象児のうち、人工呼吸器を使用している児童生徒は、現在3人となっております。
人工呼吸器管理、特に小児の技術を持って学校看護師をしてくださる方は貴重なので、安心して働き続けられるように、サポートや育成もしてください。 医療的ケア児に対して配置されている看護師や、在籍する学校に対して、教育委員会としては、どのような支援をしているのか、伺います。
看護師や学校への支援につきましては、今年度から教育委員会に配置している指導看護師が定期的に学校を訪問し、個別に助言等を行っております。また、巡回指導医を適宜学校に派遣し、より専門的な立場から指導・助言を行っております。夏季休業中には医療的ケアに関する研修会を実施し、看護師の資質向上にも努めているところでございます。
保護者による付き添いや登下校の送り迎えの状況は?
全国的に医療的ケア児の教育的課題として、学校への保護者の付き添いや、通学の送り迎えを保護者がするなども、聞かれます。本市の状況はいかがでしょうか。
本市では、毎日の授業時間帯に医療的ケアを必要とするすべての児童生徒に対して看護師を配置しており、原則として保護者の日常的な付き添いは求めておりません。登下校時の送迎の状況につきましては、登校時は自家用車での送迎もしくは児童生徒本人が徒歩等での自力通学を行っております。下校時には、登校時の方法に加えて、放課後等デイサービス事業所の職員による送迎も行われております。
医療的ケア児支援法の成立には、保護者の学校付き添い問題を解決して保護者が就労継続できるようにという思いが込められています。課題としては、看護師不足や介護タクシー不足などもあります。それらの課題を乗り越えて、適切な教育を受ける権利を保障するために、関係部署や外部の関係機関とも協力をし、県や国にも自治体への支援の充実を求めていくべきと考えます。また看護師にかえて介護福祉士や喀痰吸引研修を受けた者の活用も示されていますので、不足を補っていけるように引き続き検討し、努めてください。
インクルーシブ教育を進める決意
最後に、医療的ケア児を含むインクルーシブ教育について伺います。子どもの頃から、障害のある人とない人と分けられて育つと、多様な、違いのある人と、ともに過ごすために、どういう配慮や調整が必要なのか、学ぶ機会を損なわれたまま、大人になってしまうと、私は思っています。共に学び育ち、共に生きられる、差別や暴力のない平和な社会を望みます。
教育長にインクルーシブ教育への認識と、今後の取組への決意を伺います。
(答弁要旨 教育長)
障害のある人もない人も、誰もが尊重し認め合える共生社会の実現は重要な課題であり、その実現に向けた取組を学校教育においても進めていくことが肝要であると認識しております。
本市では、特別支援教育が目指すものを「大切なひとり 共に生きるみんな」とし、障害のある児童生徒一人一人を大切にした教育のさらなる充実と、共生社会の実現に向けたインクルーシブ教育システムの構築のため、施策を展開してまいりました。
医療的ケアが必要な児童生徒につきましては、対象児が通学する小中学校や特別支援学校に看護師を配置するなど、支援体制の整備に努めてきたところでございます。
今後も、関係部署と連携し、対象児への支援の充実を図り、共生社会の実現を目指した特別支援教育の着実な推進に努めてまいります。
質問は、以上です。
関連して、福祉部門への「医療的ケア児支援」の質問はこちらです
正確な会議録や録画配信はこちらです
上記は、いのまた由美作成のメモより掲載しています。当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。正確な会議録はこちらから検索できます。
録画中継も視聴できます。「いのまた由美/令和4年第1回定例会/3月8日/予算等審査特別委員会」をご覧ください。