障害者が選挙に参加する際の合理的配慮について質問しました

2021年9月9日から10月12日までの34日間の日程で、第3回定例会が開会中です。

「決算等審査特別委員会」は、前年度の決算の議案について審査します。私は決算第一分科会に所属しています。9月28日に質問に登壇しました。質問要旨を以下掲載しますが当日の発語とは差異がありますのでご了承ください。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。

録画配信と議事録

質問の3営業日後(10月1日以降)は録画中継も視聴できます。

仙台市議会インターネット議会中継
仙台市議会インターネット議会中継

「いのまた由美/令和3年第3回定例会/9月23日/決算等審査特別委員会(第1分科会)/選挙費」をご覧ください。正式な会議録がホームページに公開されるのは12月頃と思います。

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仙台市議会で行われた会議の内容を検索できる。

政治参加の社会的障壁をなくすために

選挙啓発事業とは

いのまた由美
いのまた由美

私からは総務費(4項)選挙費中、選挙啓発費 85万5千円について
1. 選挙啓発に要する経費の内訳を伺います。
2. R2年当初予算は293万4千円でしたので、執行率29%となっております。その理由を伺います。
3. R3年度も同様の状況になっているのか伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

いのまた由美
いのまた由美

「選挙啓発」事業は、選挙のある年度に行う「臨時啓発事業」と、選挙の有無に関わらず行っている「常時啓発事業」があるとお聞きました。R2年度は選挙のない年でした。「常時啓発事業」として、どのような取組をされたのか、その目的と効果を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

障害のある方の政治参加・選挙のバリアについて

いのまた由美
いのまた由美

続いて、障害のある方などの選挙への参加について伺っていきます。

先日、「仙台フォーラス」や「せんだいメディアテーク」を会場に行っている障害のある方の社会教育プログラムを見学しました。生涯学習として、さまざまなテーマで学び合いをしている場ですが、私が見学したある日のテーマは「選挙」ということで、ざっくばらんに意見交換をしていました。その中で、大きく2つのことがわかりました。1つ目が、障害のある方にとってハード面や仕組みが選挙に参加することの障壁となっているということ。2つ目は、制度や仕組みは準備されていても、情報が届いていなかったりわかりづらいことがあると、知りました。そこで一連の質問をいたします。

 
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郵便等による不在者投票・代理記載制度

いのまた由美
いのまた由美

障害の程度が重く投票所に行くのが難しい方は、「郵便等による不在者投票」および、記入することができない方は「代理記載制度」を利用することができます。
1. この制度について、ご説明ください。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

 

いのまた由美
いのまた由美

制度の申し込みをしてから登録されるまでの期間はどのくらいかかりますか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

いのまた由美
いのまた由美

(必要書類をそろえて申請したら数日で登録できるということなので、今年これから行われる選挙についても制度が必要な方には私のほうからもお伝えしていきたいと思います)

いのまた由美
いのまた由美

直近の登録状況、利用状況を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

いのまた由美
いのまた由美

「郵便等による不在者投票」は該当要件が重いので、投票所での投票が困難である障害者や高齢者から、間口が狭すぎるという声を伺っています。しかし、公職選挙法で決まっていることなので、対応するためには法改正が必要になります。一方で、条件に該当するけれども、郵便等の投票をできると知らない方が実際にいらっしゃいました。どのように制度の周知をしているのか伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

 

障害のある方への情報保障について

いのまた由美
いのまた由美
 

選挙があることのお知らせや、選挙公報について、本市の合理的配慮にはどのようなものがありますか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

いのまた由美
いのまた由美

選挙があることのお知らせの主なものは「選挙公報」であり、視覚障害者への対応をしているとのご答弁でした。しかし、障害のない方は「選挙公報」以外からも得られる情報が多くあり、それが障害がある方には不足しているという事実があります。チラシ、ポスター、駅の広告など、視覚障害の方には届かないものがあります。ラジオ、広報車、選挙カーなど、聴覚障害の方に届かないものがあります。盲ろうの方にはどちらも届きません。わかりやすい日本語、やさしい日本語や、ルビがないなど、知的障害の方に届かない情報もあります。それらを補っていくためにも、障害のある方への選挙啓発が必要だと意見を申し上げておきます。

 

いのまた由美
いのまた由美

「選挙公報」の視覚障害者への配慮としては点字版と音訳版がありますが、点字版しかないと思っている方もいらっしゃいました。どのようにお知らせをしているのか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

 

投票所で受けられる合理的配慮

いのまた由美
いのまた由美

次に、投票所で受けられる合理的配慮を伺います。
投票事務従事者用の要領を事前に見せていただきました。さまざまな障害等の特性ごとに必要と考えられる配慮の方法が、きめ細かく書かれていました。これは2017(H29)年にマニュアル化したとお聞きしました。これらの対応の効果もあってか、投票所に行った当事者の方からは、親切丁寧にサポートを受けることができたというお声も複数伺っています。一方でスロープは設置していただいているが水たまりのある地面に接続していて使いにくいことがあったというお声もお聞きしました。今後はぜひ障害当事者や支援者の方とも、選挙のバリアフリーとして必要な対応を意見交換できる場を継続的にもうけていただいて、対応方法もより充実させていただけたらと、意見を申し上げます。

いのまた由美
いのまた由美

投票所における特別な投票方法としては、「代理投票」と「点字投票」があります。「代理投票」は投票管理者が決めた補助者が、心身の故障や事情のある方の代わりに記入や投票をするものです。「点字投票」は目の不自由な方が申し出によって利用できる方法です。そこで確認をしておきたいのは、目の不自由な方が「点字」ではなく「代理投票」を申し出ることも可能なのでしょうか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)
→ 可能だという旨の答弁

いのまた由美
いのまた由美

「意思表示が困難な人」や「知的障害」等のための「代理投票」の「サポート」について伺います。家族や介助者などの同伴者は投票会場には入場できても、投票用紙に記入するのは投票管理者が決めた「補助者」が行います。日頃の意思表示のサポートをしている方が記入や投票の最後までサポートすることができない現状も、バリアになっていると指摘されています。しかしこれも、公職選挙法上で決まっているので法改正が必要なところですが、現状でも、本人から意思を補助者に伝えるために、メモなどをご本人がお持ちいただいて、それをもとに代理投票していただくなどの手段があります。本市での現場の対応例をお伺いします。

仙台市当局
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(選挙管理課長 答弁)
→本市でも対応しているという答弁

選挙に関する合理的配慮についての広報

いのまた由美
いのまた由美

仙台市選挙管理委員会のホームページには「選挙FAQ」を掲載していただいています。44問の質問と回答が掲載されています。寄付行為や選挙運動の質問などの中に、「投票」という小見出しで、障害者等への配慮に関する質問が4問掲載されています。

 

私は、障害者等への合理的配慮については、特出しをして、もっとわかりやすくまとめておくこともできるのではないかと考えます。さらに言うと、わかりやすい日本語、やさしい日本語、写真やイラストを活用したページを作ることも検討していただきたいです。ご所見を伺います。

仙台市当局
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(選挙管理課長 答弁)

障害者にむけた選挙の啓発

いのまた由美
いのまた由美

東京都狛江市では「わかりやすい主権者教育の手引き」という冊子を、専門家、知的障害者の家族会などと協力して発行しました。むずかしい選挙の仕組みをやさしく教えるための冊子です。DVDも作成しています。こういった取り組みを参考にして、障害者を対象とした主権者教育や政治参加の促進、選挙啓発を進めていっていただきたいです。

いのまた由美
いのまた由美

質問として具体的には、本市では(選挙の常時啓発事業として)特別支援学校への出前講座を例年実施していますが、障害者施設や障害者団体などにも、選挙啓発の出前の取組を拡げていただきたいと求めます。お伺いします。

仙台市当局
仙台市当局

(選挙管理課長 答弁)

いのまた由美
いのまた由美

それをやっていますということを、積極的に、PRしていただきたいです。

国連 障害者権利条約 政治的および公的活動への参加

いのまた由美
いのまた由美

本市は2016年4月に「仙台市障害を理由とする差別をなくし障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例」を施行しました。その前提には、2014年に日本が批准した「国連 障害者権利条約」があります。障害者権利条約は、障害者だけに特別の権利を与えるのではなく、障害のない人が当たり前に享受していることを、障害のある人もやれるようにという考えが示されています。条約 第二十九条には、「政治的及び公的活動への参加」として「政治的及び公的活動への参加の機会を保障すること、投票の手続きが利用しやすいもの、理解や使用が容易であること、政治に効果的かつ完全に参加することができる環境を積極的に促進し、及び政治への障害者の参加を奨励すること」となど示されています。

本市においても、健康福祉局や教育局など関係部署と連携や情報交換をして、障害者の社会参画の推進や障害者の生涯教育の一環として、選挙啓発・当事者参画をすすめるべきと求めます。最後に事務局長にお伺いいたします。

仙台市当局
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(選挙管理委員会事務局長 答弁)

資料

仙台市選挙管理委員会のホームページ FAQ

仙台市選挙管理委員会 選挙FAQ(よくある質問)

http://www.city.sendai.jp/senkyokanri-kanri/faq.html

東京都狛江市 

知的障害あっても都議選に “できると信じて一票を” | NHK

https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20210702a.html

仙台市 差別なくす条例(2016年)

仙台市障害を理由とする差別をなくし障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例

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国連 障害者権利条約(2014年に日本が批准)

ゼロから知りたい障害者権利条約 ~前編~ – 記事 | NHK ハートネット

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/465/