災害時要援護者・個別避難計画(その3 一体的な推進のための体制)

2024年2月9日から3月14日までの会期で、第1回定例会が開会しています。市長提案の当初議案はこちらです。3月27日から予算等審査特別委員会が開かれており、いのまた由美は「土木費」「消防費」の審査で質問をしました。

ここに消防費(その3)の質問と答弁のメモを掲載します。正確な記録ではないということをご了承ください。録画配信や会議録が出たらそちらをご参照ください。

「個別避難計画」と「福祉避難所」

人工呼吸器電源確保のための施設利用

いのまた由美
いのまた由美

次に、福祉避難所について伺います。「福祉避難所」協定のさらなる促進や、「指定福祉避難所」として直接避難の道筋をつけることが急がれています。

そこで、任意の取組みとして、常時人工呼吸器を装着している方の個別計画作成の支援をしているウェルポートに伺います。個別計画には直接避難をする避難先も記載されていると伺いましたが、どのような方々と協力し、課題を乗り越えて直接避難の計画を作成されてきたのか、お伺いいたします。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局参事 障害者総合支援センター所長

パーソナルプランの作成当初は、避難予定先について、かかりつけの病院や親戚・友人宅等を記載している方が、少なからず見受けられましたが、相手方の同意が必ずしも取れていない状況にございました。
そこで、作成済の計画につきましても、各区・総合支所の保健師等が中心となって毎年見直しを行うよう働きかけ、その際には、避難予定の相手方の同意を得たうえで更新し、発災時の避難先を確実に担保できるよう取り組んでいるところでございます。

障害者福祉センターを指定福祉避難所に 

いのまた由美
いのまた由美

ウェルポートが調整をして、常時呼吸器を装着している方を対象に、風水害時に停電が想定され・かつ・医療機関への避難入院が困難な場合に、市内4カ所の障害者福祉センターで電源を供給する事業をおこなっています。センターは現在、福祉避難所でもあります。こちらのセンターを直接避難もできる指定福祉避難所とすることを検討するべきですが、お考えを伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局総務課 運営指導担当課長

国のガイドラインの改定等を受け、現在、本市の協定福祉避難所のうち、同意いただける施設を中心に指定福祉避難所への移行を調整しているところでございます。
障害者福祉センターにつきましては、風水害時に人工呼吸器を装着されている方が、電源を確保いただける取り組みを行っていることを踏まえ、同様に調整してまいりたいと存じます。

個別避難計画作成プロセスと連携した指定福祉避難所の指定

いのまた由美
いのまた由美

現状の「個別避難計画」ひな型は、「避難先」を記入するようになっています。今後、指定福祉避難所への直接避難もすすめていくにあたり、「個別避難計画」作成のプロセスと連携することで、実効性が上がると考えますが、どのようにお考えですか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局総務課 運営指導担当課長

 本市における福祉避難所は、地域防災計画において、二次的避難所と位置付けていることから、個別避難計画書に記載する避難先にはあたらないところです。
 今後、個別避難計画を策定するプロセス等において、福祉専門職の活用も図りながら、避難支援が必要な方の心身の状態等を把握し、福祉避難所への避難が必要となる、指定避難所等での生活が困難な高齢者や障害者等を把握するとともに、避難の実効性を高めるために、関係部局と連携を図りながら、さらに検討を進めてまいります。

災害時・社会福祉施設の相互の人的協力の確保増進

いのまた由美
いのまた由美

社会福祉施設等が、指定福祉避難所となることをためらう理由として、施設側の災害時の人員体制不足が想定されることもあげられています。その課題を解決するためにも、事業者間での人的協力や移送手段の確保が必須です。市内や広域など事業者間の協力のために、どのような取組をされるのか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局総務課 運営指導担当課長

本市では、市内の99の訪問介護事業所と「福祉避難所への介護員の派遣協力に関する協定」を締結し、福祉避難所への人員を確保するための体制強化を図ってきておりまして、引き続き介護員等の協力体制の確保に努めてまいります。
 また、災害時の広域支援につきましては、宮城県が設置し、県内市町村、福祉関係機関・団体等が参加する宮城県災害福祉広域支援ネットワーク協議会や宮城県災害派遣福祉チーム部会に本市も参加し取り組んでいるところであり、引き続き関係団体と連携を図りながら、対応してまいりたいと存じます。

指定避難所・地域における障害理解や配慮の促進

いのまた由美
いのまた由美

次に、一般の指定避難所や地域における障害理解や配慮の促進について伺います。
指定避難所においては、福祉スペースを確保して要援護者の受け入れ環境を作っています。本市では『避難所における障害のある方への配慮の手引き』という、とてもいいパンフレットを作っていると教えていただきました。手びきには配慮について関係機関からのコメントも掲載されていて、連携をとって作成されたのだと感じました。当事者に積極的にご参加いただく避難訓練を実施するために、このような関係機関にもご協力をいただけたらよいのではないかと思います。障害理解や地域の防災力を高めるために、どのように手引きの活用を進めてるのか、伺います。また本市のホームページから、例えば危機管理局・避難所運営マニュアルのページなどから、見つけやすいようにリンクを貼るなどして、周知することを、合わせて伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:危機管理局防災計画課長

障害のある方が安心して避難できる環境づくりを進めるためには、地域の皆様の障害などに対する理解を更に深めていただくという観点も重要であると考えており、障害のある方の防災訓練への参加を積極的に働きかけるとともに、地域説明会などにおいて、ご例示の手引き等の活用を更に進めるなど、今後も避難所における配慮がより浸透するよう取り組んでまいります。
また、こうした資料にアクセスしやすくするよう、危機管理局のページからもリンクを張るなど工夫してまいります。

福祉と防災の連携をすすめる体制を

健康福祉局に災害時要援護者担当を置く

いのまた由美
いのまた由美

まとめにはいります。

現在危機管理局で音頭をとって個別避難計画を作成に早急にすすめる旨を示されていますが、個別避難計画作成の一連のプロセスには、福祉部局や医療介護福祉の事業者や専門家との平時からの連携が重要であるので、災害時要援護者の危機管理を一体的に取り組むために、体制を健康福祉局に作るべきではないかと考えるに至りました。

優先度の高い個別避難計画作成には福祉専門職等の協力が必須ですが、訪問看護・介護サービスや、障害福祉サービスの事業所の側でも、災害時の業務継続計画BCP作成が義務付けられ、訪問介護・通所など在宅の利用者に関しても災害時におけるサービス継続の方法や手段を定めています。発災のレベルに応じて職員だけでは安否確認や訪問をできないことも考えられることからやはり地域で支えになってくれる方との協力や、地域の避難訓練などに参加するなど地域との連携を、事業者側からも求められています。この点においても、本人を起点とした「個別避難計画」作成すると、実効性が高まります。

川崎市では健康福祉局総務課危機管理担当を置いて「障害者個別避難計画」事業を行っています。神戸市では、福祉局くらし支援課の「在宅重度障害児者医療福祉コーディネト事業」の中の一つとして災害時個別避難計画の作成を進めています。札幌市では保健福祉局総務部地域福祉・生活支援課が、福祉事業所に対して災害時の避難支援のご協力をいただく仕組み作りのためにアンケートを現在実施しています。

本市の災害時要援護者支援においても、名簿の登録、個別避難計画、地域の支え合いの促進、介護や障害福祉の事業者のBCP計画との連携など、プロセスを一体的に管轄するために健康福祉局に担当・体制をつくり危機管理局と連携していくことが必要だと考えます。副市長にお考えを伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:副市長

個別避難計画の策定など、災害時要援護者の支援を進めていくためには、福祉団体や障害者団体と関係性の深い福祉部門だけでなく、避難のあり方などの面で防災部門も連携して取り組んでいくことが肝要であると認識しております。
民生委員や自主防災組織との関係など、それぞれの局がこれまで積み重ねてきた強みを生かすことを基本としつつ、「災害時要援護者避難支援プラン」の見直しと併せ、これら一連の支援を進めていくうえでの望ましいあり方についても検討してまいりたいと存じます。

災害時要援護者プランと地域防災計画の見直し

いのまた由美
いのまた由美

今週土曜日、仙台防災未来フォーラム2024が開催されます。東日本大震災メモリアルシンポジウム2024「誰一人取り残さない インクルーシブ防災」というタイトルで、郡市長の発表もあります。

災害脆弱性の高い要支援者のいのちを守るため、災害関連の法改正が行われた「福祉防災元年」以降、本市でもモデル事業など、さまざま検討されてきました。

新年度は、福祉部門のかかわりをさらに強めて、災害時要援護者プランの見直し、地域防災計画に反映することを求めます。新年度で、前に進めてください。最後に伺い、質問を終わります。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:危機管理局長

災害時に、配慮や支援を必要とする方が安心して避難できる場所や方策を確保していくことは非常に重要であると認識しております。
このため、現在、個別避難計画の作成を特定の地域で先行的に進めており、次年度には全体計画である「災害時要援護者避難支援プラン」の見直しを予定しているところでございます。
今後、専門家や関係者のご意見も伺いながら、避難行動要支援者名簿や指定福祉避難所など、本日ご議論いただいた内容についても考え方を整理し、プランの着実な見直しを図るとともに、必要な事項については地域防災計画にも反映することで、全ての方が安心して避難できる環境の実現を目指してまいります。

この前の質問

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上記質疑はいのまた由美作成のメモより掲載しており、当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。正確な会議録はこちらから検索できます。

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録画中継も視聴できます。「いのまた由美/令和6年第1回定例会/3月6日/予算等審査特別委員会(消防費)」をご覧ください。3営業日以降に公開されます。

仙台市議会インターネット議会中継
仙台市議会インターネット議会中継

参考情報