2023年第1回定例会
2023年2月14日から3月14日までの会期で、第1回定例会が開会しています。市長提案の当初議案は75件、議員提案条例案が2件です。
いのまた由美は2月20日の一般質問に登壇し、その後2月27日から始まった予算等審査特別委員会で質問に立ち、審査が続いています。
ここに2月20日一般質問と答弁のメモを掲載します。正確な記録ではないということをご了承ください。録画配信や会議録が出たらそちらをご参照ください。
一般質問:子育てが楽しいまち 仙台
社民フォーラム市議団の いのまた由美です。新年度施政方針で示された「ここ仙台で子どもを産み、育てたいと思える『子育てが楽しいまち・仙台』」という市長の意気込みに大いに賛同し、実現に向けて、以下一般質問いたします。
子育て施策が注目されているまち、明石市の泉市長は、昨年内閣委員会に参考人として出席し、「日本の少子化の加速や経済の停滞の、原因のひとつは、私たちの社会が子どもに冷たすぎるからなのではないかと思えてなりません。」と述べました。若い世代や子育て世代に選ばれる持続可能な都市であるために、地元経済の活力や所得向上とともに、子育て環境の充実は、重要なポイントです。
保育施設待機児童(入所保留)太白区や1歳児に顕著な偏り
子育てを始めた初期に市民が直面する大きな関門は、保育の問題です。国の基準の待機児童数はゼロに推移していますが、「待機児童」としてはカウントされなくても申し込みしても保育所に入れない「入所保留」と呼ばれる方が、いまだ全市で400人以上います。中でも太白区が継続して多く、特に1歳児の人数の多さが顕著です。待機児童問題は解消された、として今後の保育所整備は行われないことになっていますが、「入所保留」の人数が太白区や1歳児枠に多く偏りがある現状の受け止めと、ミスマッチ解消のための対応を伺います。
子供未来局長:
本市では、令和4年4月に待機児童ゼロを達成したものの、希望する保育施設に入所できない「入所保留児童」は428人で、そのうち太白区が約1/3を、年齢別では1歳児が約半数を占めておりまして、引き続き、地域毎・年齢毎の保育ニーズを的確に把握していく必要があるものと認識をしております。
この偏りを解消していくため、比較的余裕のある0歳児枠を1歳児枠に転用する1歳児受入れ推進事業を進めるとともに、保育サービス相談員によるきめ細かな相談支援により、一人でも多くの子どもたちに保育施設を利用いただけるように取り組んでまいります。
男性の育児参加促進のためのコミュニケーション支援
男性の育児休業取得への政策的後押しが足りない現状もあり、家庭で育児を続けているのは母親です。母親は、身体や心や社会的関係性に重大なダメージを受け尊い命を生み出し、その直後から乳幼児の生命の維持のために片時も目が離せない毎日を過ごします。そういう状況の母親と比較して、子どもと関わる時間や労力の少ない父親との間に、コミュニケーションの「ずれ」がうまれることは、離婚の決断の6割が婚姻後5年以内になされるというデータにも表れているのではないでしょうか。東北福祉大学教授で助産師の塩野悦子さんは、産後の夫婦間に起こる危機的状況に対処する「産後クライシス予防プログラム」を開発しています。産前産後のより早い時期にコミュニケーションに関するプログラムを父親も受けられるように、機会の拡大を求め、伺います。
子供未来局長:
男性の育児参加を促進するため、本市では、のびすくや区役所等において、両親教室や父親教室を開催しており、夫婦間のコミュニケーションをテーマとした講和や、育児中の父親の体験談を共有したりするなどの取り組みを行ってまいりました。
また、教室によっては、夜の時間帯に開催するなど、仕事帰りにも参加しやすいような工夫もしております。
今後も、男性の育児参加を促進する取り組みを通じ、ご家族で協力しあい、楽しんで子育てできるような支援に努めてまいります。
親子の居場所づくりへの支援
育児負担の大きい未就園児の母親が、人と出会い、話をし、共感しあえる場を地域にこまかく作っていくことが重要です。
親子の居場所の情報発信
家庭で育児をしている母親は、子育ての情報を求め続けています。WEBメディア「マムズラボ」が行ったSNS利用に関するアンケートでは、25〜44歳の未就学児母親の9割以上が「Instagramを使用する」と答えています。仙台でも子育てママ向けのマーケティングでInstagramが活用されています。1万5千人のフォロワーがいる「仙台ママグラム」が、未就学児のママ向けに仙台の子育てや親子の居場所に関するアンケートをおこない、リアルな意見が寄せられています。「出かける場が足りない」という声や、「仙台は子育てにやさしくない」という意見が多数みられました。こういった声の受け止めを伺います。
本市の子育て情報発信にはInstagramの活用がみられませんが、SNSでローカル子育て情報発信をしているインフルエンサーの方々の力をお借りして、本市の子育て情報発信の実効性強化につなげる意見交換等をすることを求めますが、ご見解を伺います。
市長:
子育て家庭のコミュニティを繋げるSNSは、迅速な発信力と情報の拡散力をもつ魅力的なツールと認識しておりまして、SNSを活用したアンケートは、手軽で身近なツールであるからこそ得られた、子育て家庭の生の声を表しているものと受け止めます。
これまで、本市が「子育てにやさしいまち」と感じていただけるよう、親子の居場所の確保や、妊娠期から出産・子育て期までの切れ目のない支援の充実に努めてきたところでございますが、このような情報が必要な方に届く用、様々な手法・媒体により発信力を高めてまいりたいと考えております。
子育て中の方が行っている発信の工夫等についても把握しながら、「子育てするなら仙台」と多くの方々に選んでいただけるよう、より効果的な情報発信につなげてまいりたいと存じます。
「まち保育」、「せんだいのびすくナビ」のお出かけマップや「のびすくサポーター」の活用促進
横浜市立大学大学院 の三輪津江教授は、都市計画学の分野から、「まち保育」という概念を提唱しています。未就学児が親などと、まちを散歩することで、子どもが「まち」と関係を持ちながら育っていく土壌をつくるというものです。小学生以上の「まち歩き」は積極的に取組まれていますが、未就学親子にも必要です。まちに育まれているという実感が親子の安心感や、ここに暮らしていてよかったという思いを生み出します。
本市は、子育てを応援するまちづくりの一環で、子育てにやさしい店舗等の「せんだいのびすくサポーター」という登録制度を運用していますが、まちが子どもを育むという点で、「まち保育」の理念に通ずると考えます。
のびすくサポーターは、「のびすくナビ」のマップ上に表示される仕組みですが、子育て中の方からは「欲しい情報は得ることができないと」の声があります。マップの利用効果を上げるため、検索機能の使い方について、わかりやすく周知することが必要ですが、伺います。
子供未来局長:
のびすくサポーターは、施設のご利用目的に応じて「のびすくナビ」のマップ上で検索いただけるものですが、検索機能の使い方がわかりづらいとのお声があることは認識しておりまして、現在、使い方をわかりやすく案内するリーフレットの作成を進めております。
サポーター登録は、チラシを渡すだけでは地域で進んでいきません。私も本市担当者と長町の民間のこどもの居場所を訪問し、ご説明し、登録していただきました。特に太白区は保育施設入所保留や引っ越してきた世帯が多く、親子とまちとの繋がり作りが特に必要な地域だと思います。本市は新年度事業で、長町の「あるいて楽しい街並み形成促進」の取組が始まります。商店街等が顔を合わせてまちづくりを検討する場において、子育てにやさしいスペースが増えてほしいという本市の思いやサポーター登録の方法を説明させていただくのはいかがでしょうか。まちづくりの観点に子育て支援を入れ込むための各般の取組が必要と考えますが、ご見解を伺います。
子供未来局長:
サポーターの登録促進につきましては、これまでも電話でのご案内や店舗への訪問等により個別に働きかけているところであり、今後も商店街ごとの登録説明会などの手法も参考に、積極的に参加を促してまいりたいと存じます。
都心部のにぎわいに利する大々的な親子の遊び場
せんだい都心再構築やエリアごとの取組も進んでいます。本市の子育てに関するアンケート調査では、子どもの遊び場を求める声が多いことから、青葉通駅前エリアの社会実験でも道路上に子どもの遊び場の設置が試みられるなど、遊び場づくりの実証実験が今年度行われており、既存の資源を活かした遊び場づくりが市内各所で進むものと思われます。親子が集い遊べる、年中利用できる屋内の遊び場の設置を求めるご意見がこれまでも語られてきましたが、私は都心部で目指すべきと考えます。仙台都心部をめざして親子が出かけてきて滞在することで、エリアでの消費支出等経済波及効果を生むことも期待できます。大々的なこどもの遊び場の設置について、民間の協力もあおぎ積極的に検討すべきです。ご見解を伺います。
子供未来局長:
今年度実施いたしました遊びの実証実験は、都心の青葉通駅前エリアや、自然豊かな郊外、屋内施設など、様々な条件を変えながら実施してまいりました。この中で行ったアンケートでは、各会場に配置したプレーリーダーを評価するお声が高かったことから、プレーパーク活動等の普及に向けた支援等に取組むこととしております。
本市といたしましては、様々なニーズがある中で、次年度は日常の遊びを豊かにする活動を展開すること、また、財政的な観点などから、都市部に大規模な屋内遊び場を設置することは、慎重な判断を伴うものと認識しております。
子育てしやすいまちづくりにあたり、子供の遊びの要素を取組んでいく視点は魅力の向上に質するものであり、民間の事業者の皆様の動向と連動させながら、遊びの環境の充実に取り組んでまいりたいと存じます。
正確な会議録や録画配信はこちらです
上記質疑はいのまた由美作成のメモより掲載しており、当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。正確な会議録はこちらから検索できます。
録画中継も視聴できます。「いのまた由美/令和5年第1回定例会/2月20日/本会議(一般質問)」をご覧ください。
参考情報:仙台の子育て情報発信
仙台子育てスケッチ
仙台市が作っている、仙台市の子育て施策をまとめているWEBページです。
せんだいのびすくナビ
全国的に導入されているプラットフォーム運営会社と仙台市が契約をして運営しているWEBサイト。
もっとも大きな特徴は、「アプリ」で閲覧できること。アプリの表示名は「子育てタウン」。「アプリ」利用開始時には、子どもの年齢などを入力する必要があります。区役所等で妊娠届け時の面談の際に、アプリのダウンロードをお勧めし、新年度からは子どもの月齢に合わせた情報をプッシュ型でお届けするよう改良がはかられます。出産子育て応援給付金や仙台市独自の新生児誕生祝福応援ギフト「杜っ子のびすくプレゼント」など、市から情報発信されるので、子育てをする市民の方にアプリを活用していただきたいです。
二つ目の特徴が、「おでかけマップ」と「イベント情報」です。行政の情報だけではなくて民間の情報も掲載できるようにしたのが、地味に画期的です。「おでかけマップ」は、子育てを応援する店舗等から自主的に「のびすくサポーター」として登録していただくことによって情報が充実していきます。「おむつを交換する場所」「授乳スペース」「子ども連れで使える個室・座敷」など検索条件を使いこなすと、子連れでおでかけをするときにまさに欲しい情報がマップ上に示されるので、その使い方がわかれば便利なものです。今は奥のほうに隠れているように思うので、これをもっと前面にうちだしてほしいと意見しています。「イベント情報」は仙台市に「子育て支援団体」として登録した団体からのイベント情報も提供していただくことによって、発信できています。のびすくナビのイベント情報が充実するためにも、子育て支援団体の方々に登録をしていただけたらありがたいです。