災害時要援護者・個別避難計画(その1 名簿)

2024年2月9日から3月14日までの会期で、第1回定例会が開会しています。市長提案の当初議案はこちらです。3月27日から予算等審査特別委員会が開かれており、いのまた由美は「土木費」「消防費」の審査で質問をしました。

ここに質問と答弁のメモを掲載します。正確な記録ではないということをご了承ください。録画配信や会議録が出たらそちらをご参照ください。

消防費 地域防災計画の見直しに要する経費

一般会計予算「防災対策費」の内訳

いのまた由美
いのまた由美

災害脆弱性の高い人を守る取組について、地域防災計画の見直しを中心に伺います。

第8款消防費―1項 消防費-4目 防災対策費の、「地域防災計画の見直しに要する経費 」について伺います。こちらの内訳をお示しください。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:危機管理局防災計画課

地域防災計画の見直しに要する経費の主な内訳といたしましては、
・宮城県第五次地震被害想定を受けたアクションプラン作成に係る業務委託 1,612万6千円
・防災に関する市民意識調査に係る業務委託 425万3千円
・地域防災計画の見直しに係る経費 279万5千円
・災害時要援護者の個別避難計画作成推進 198万円
となっております。

「個別避難計画作成促進」

いのまた由美
いのまた由美

そのうち、「災害時要援護者の個別避難計画作成推進」の概要を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:危機管理局防災計画課

災害対策基本法の改正により、災害時に支援が必要な方に対する個別避難計画の作成が自治体の努力義務とされたことを受け、この取り組みを進めるため、個別避難計画をケアマネジャーなどの福祉専門職が作成した場合の作成経費の支援や、避難支援の基本的な考え方などを定めた「災害時要援護者避難支援プラン」の見直しを行うものでございます。

いのまた由美
いのまた由美

今議会でも、能登半島地震の被災状況に触れ、避難行動要支援者への支援や指定福祉避難所の取組みなどの質疑が行われており、市長からも「能登半島地震で明らかになった課題にもしっかりと向き合い、着実に本市の防災力向上の歩みを進める」旨のご答弁がありました。
災害時要援護者の支援に、より実効性をもたせるためには、要支援者名簿と位置付けている災害時要援護者情報登録制度の見直しを含めて、避難支援プランの更新をすることが必須だと考えます。 個別避難計画を作成する優先度の高い方をどのように名簿に登録すべきか、福祉専門職等の協力を得て、個別避難計画・指定福祉避難所・医療介護福祉事業者のBCPも含めて 地域の防災力向上のため、プロセスを一体的に推進する体制が必要と考え、以下一連の質問をします。
まず、個別避難計画作成対象者の「避難行動要支援者名簿」には、どのような方が掲載されるべきか、また、名簿をどのように作成しているのか、確認をします。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:危機管理局防災計画課

避難行動要支援者名簿には、災害対策基本法等の定めにより、高齢の方や障害のある方で、災害時などにご自身での避難が難しく、支援を必要とする方を掲載することとなっております。
本市では現在、災害時要援護者情報登録制度に定める登録対象者をもって避難行動要支援者と位置付け、同制度に基づく登録の申し出をいただいた方を名簿に掲載することとしております。

個別避難計画作成促進のもととなる「避難行動要支援者名簿」

「災害時要援護者情報登録制度」目的と経緯

いのまた由美
いのまた由美

社会課が担当されている「災害時要援護者情報登録制度」は、
いつ どのような目的・経緯で始まった制度でしょうか。確認します。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

 この制度は、災害時に備えた地域での要援護者支援の取り組みに活かしていただくことを目的に、本市独自の取り組みとして平成24年度に開始したものでございます。
本市では、既に平成20年度に「地域で備える災害時要援護者支援の手引き」を作成し、地域における共助の取り組みを進めておりましたが、地域において、要援護者の所在がわからない、民生委員が持つ情報を共有するにも、個人情報の問題で難しい、という課題があり、この課題を解決するため、当該制度を開始したものでございます。

「災害時要援護者情報登録制度」の登録の対象となり得る方の人数

いのまた由美
いのまた由美

「登録制度」の対象者を具体的にどのような方と定めているのか、
また、市内には対象となり得る方が それぞれ約何名 いらっしゃるのか伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

登録対象者は、障害者手帳をお持ちの方、要介護・要支援認定を受けている方、65歳以上の高齢者で一人暮らし又は高齢者のみ世帯の方などのうち、災害時に自分や家族の力だけでは避難できないなどの理由で、地域の支援を希望し情報提供に同意いただける方でございます。
令和5年3月時点で、障害者手帳所持者が約5万5千人、要介護・要支援認定者が約5万人、高齢者世帯等は、国勢調査の行われた令和2年時点で約9万4千世帯でございます。
このうち対象となり得る方の人数は、複数の要件に該当する場合があることや、それぞれの世帯の状況が異なっていることなどから、推計することが困難でございます。

いのまた由美
いのまた由美

そのうち「自分や家族だけでは避難できない」ので登録申請している方は、昨年12月現在10370名いらっしゃると承知していますが、
対象者となり得る方にどのように登録制度の存在をお知らせしているのでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

 制度周知につきましては、在宅高齢者世帯調査等の機会を通じ、民生委員が個別にご案内しておりますほか、障害のある方については、区役所等の窓口で、冊子「ふれあいガイド」を配付することなども行っております。

いのまた由美
いのまた由美

登録制度に申し込まれた方に対して、仙台市からはご本人に直接何かレスポンスするということはないと伺っています。地域ごとに登録者をリスト化して関係者に渡しているということで、その情報提供によって共助に貢献しているということです。ご本人と地域のコミュニケーションが促進されることや、個別計画の作成に繋がっているなど効果が期待されます。取組事例を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

 リスト提供後の地域に対するサポートとしては、地域における支援手法をわかりやすくまとめた「災害に備える地域助け合いの手引き」や、「地域での取り組み事例集」などを町内会等へ配付するほか、出前講座など、地域の要望に応じ、職員が直接赴いたり、アドバイザーの派遣を行ってきております。
リストの提供がきっかけとなり、町内会の皆さんが支援希望者を訪問し、要援護者本人と地域の顔の見える関係が構築されたり、年1回は防災訓練で、支援者と要援護者の顔を合わせての確認を行うことで、要援護者から「安心できる」との声をいただいたなどの事例がございます。

「災害時要援護者情報登録制度」の周知

いのまた由美
いのまた由美

特に災害時支援が必要とされている方のうち、障害児・障害者への対応が比較的遅れているのではないかという指摘もあります。
本市が行っている「障害者等保健福祉基礎調査」の最新の報告が昨年3月にありました。「緊急時」の備えに関する質問項目もあり、身体障害・知的障害・精神障害・難病・発達障害等それぞれご本人や家族に、例えば「災害時の避難を一人でできるか」「登録制度を知っているか・利用しているか」などお尋ねしています。調査報告では、「一人では避難できない」「ぜひ地域からの支援をお願いしたい」という回答は16%から41%、「災害時要援護者登録制度は知らない」と回答が76%-90% 見られました。
基礎調査の結果の受け止めを、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

障害者等保健福祉基礎調査の結果報告では、例を挙げますと、65歳未満の身体障害者の方であれば、登録制度に申し込んでいない方のうち「制度を知らない」という方が、74.6%という結果になっています。
制度を知らないために登録していない方も一定数いらっしゃるものと考えられ、障害のある方に対して、災害対策基本法改正を踏まえた様々な取り組みとあわせ、周知の工夫が課題であるものと受け止めております。

いのまた由美
いのまた由美

名簿に、「真に避難支援が必要な方」が登録できていないのではないか、という課題があります。
登録制度の周知をこれまで以上に進めていくべきと考えます。ご本人と接点を持つ機会のある本市窓口や、関係機関や、福祉団体・障害者団体などとも、さらなる連携を進めて周知するのが効果的と考えますが、今後の取組みを伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

障害のある方への登録制度の周知につきましては、区役所等窓口での周知を継続的に進めますほか、市政だよりによる定期的な広報や、様々な広報媒体を活用することが必要と考えており、現在、障害者団体に協力をいただきながら、団体の広報誌に登録制度の概要を掲載させていただく予定で準備を進めております。
今後はさらに、障害者関係団体、障害福祉サービス事業所等との連携のあり方について、検討してまいりたいと存じます

在宅避難を選ぶ方への、登録の周知
いのまた由美
いのまた由美

災害時に避難しないで自宅に留まることを選ぶ要援護者の方がいらっしゃいます。
東日本大震災から間もない時期、仙台市などで自閉症の子どもと親がどのように過ごし、何に困ったかなどの体験について、明日から「せんだいメディアテーク」で「3がつ11にちをわすれないためにセンター」主催の企画展が始まります。多くの方にご覧いただきたいと思います。パニックを起こす、動き回ってしまうという心配から、避難所にはいられず自宅で過ごしたという、生の声があります。震災直後は『皆が大変だから』と困っていることを言えずにいたが、今だから言えることもある』とおっしゃっています。
自閉症の方や精神障害のある方など環境の変化への対応が困難な方や、医療的ケアや多くの介助が必要な方など、避難はせずに水や食料など途絶える中でも同居の家族も自宅から出られない状況が続き、地域から孤立していたとお聞きしています。支援物資や買い物の列にも並べません。
そういった方々も、避難行動の支援だけでなく、在宅避難の安否確認や足りていないものの確認など被災後の生活支援に繋げられるように、「登録」を促すことが必要と考えますが、お考えを伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

地域の支え合い、助け合いによる「共助」の仕組みは、発災時の避難の呼びかけといった場面をはじめ、様々な場面で活用されるものでございますことから、ご例示をいただいた方にも登録をいただくことが有効であると考えております。

個人情報の取扱いについて、本人への周知
いのまた由美
いのまた由美

登録制度の周知が足りているのかという他にも、制度は知っているけれど、登録時に情報提供に同意することとなることから、個人情報の取扱いに対する不安を持っているため登録申請をしない方も割合に多いのではないかと、実際に声を伺っています。平時や発災時にどのように個人情報を利用することが必要で、外部に提供した個人情報がどのように取り扱われているのかなど、対象者に丁寧に説明すべきではないかと考えますが、ご所見を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

答弁:健康福祉局社会課

町内会等へ登録者リストを提供する際には、平常時の支援活動が行いやすいよう、「災害に備える地域助け合いの手引き」により、個人情報の取り扱いについてご説明しているほか、別途、「個人情報の取り扱いについて」というリーフレットも作成・配付し、地域において個人情報取り扱いルールを定めるよう、ルール作成のためのひな型や記載例もお示ししており、こうした情報については、本市ホームページにも掲載しているところです。
この制度に登録申請をお考えの方が、安心して手続きできるよう、町内会等のこうした取り組みに関する分かりやすい周知の手法について、工夫してまいりたいと存じます。

この前後の質問

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上記質疑はいのまた由美作成のメモより掲載しており、当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。正確な会議録はこちらから検索できます。

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録画中継も視聴できます。「いのまた由美/令和6年第1回定例会/3月6日/予算等審査特別委員会(消防費)」をご覧ください。3営業日以降に公開されます。

仙台市議会インターネット議会中継
仙台市議会インターネット議会中継

参考情報