困難な問題を抱える女性支援について一問一答で一般質問しました【仙台市議会】

2022年第4回定例会

2022年12月7日から22日まで第四回定例会が開会しています。いのまた由美は、12月15日の一般質問に登壇しました。

困難な問題を抱える女性支援について(総括質問)

いのまた由美
いのまた由美

コロナ禍においてDV相談や女性の自死が増加するなど、女性であることによって生じる様々な困難が顕在化しました。虐待やDVなどの家庭問題、生活困窮、性暴力、孤独・孤立など、複合化した問題があります。こうした中で、今年「女性支援新法」も成立しました。本市では今年度若年女性を主な対象とする「アウトリーチ型相談支援事業」を開始しました。この事業の概要と目的、スタートしての受け止めを伺います。

仙台市当局
仙台市当局

市長:

アウトリーチ型相談支援事業についてお答えをいたします。
コロナ禍を契機に困難を抱える女性や若者の深刻な状況が明らかになる中、女性・若者活躍推進会議を開催した他、こうした方々への必要な支援を届ける積極的なアウトリーチの手法が必要だと考え、今般、NPO法人の力を活用した新たな形の事業に取り組むことといたしました。
この事業は、困難を抱えながらも支援につながっていない若年女性を主な対象とした本市として初めての取り組みでございます。繁華街に開設する居場所カフェで相談者の悩みをお聞きしながら、必要に応じて支援機関につなぐこととしておりまして、併せて実施する夜回りでは、気になる様子の若年女性に声をかけて、ご希望があればカフェにご案内しております。
事業開始からこの間、SNSで事業を知りカフェを訪れる方も少しずつ増え、支援機関の相談につながったケースもあるなど、取り組みの成果が見え始めております。
引き続き、本事業をはじめ様々な施策を通して、仙台が、女性や若者にとって安心して生きいきと暮らせるまちとなるよう、取り組みを進めてまいりたいと存じます。

一問一答 (23分過ぎ)

仙台市議会インターネット議会中継
仙台市議会インターネット議会中継

困難を抱える女性への「アウトリーチ」

いのまた由美
いのまた由美

ご答弁ありがとうございました。困難を抱える女性支援について一問一答いたします。

繋がっていない、繋がりづらい若い方が少しずつ繋がり始めているという効果があったとお聞きしました。

アウトリーチの目的をこれからも果たしていくためには、今年度半年限りで事業を終了せず、継続することで効果が増すと考えています。春・夏は対象者とより多く出会えると考えられます。年度の早い時期からの継続実施を求めますが、お考えを伺います。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:
今年度は事業者選定の手続きや試行実施期間など、スタートに向けた事前準備に時間を要したところでございますが、本事業は継続することで認知度が上がり、一層の効果が期待できるものと考えております。
来年度の実施につきましては、本年度の実施状況などを踏まえつつ、検討してまいりたいと存じます。

いのまた由美
いのまた由美

ぜひ継続していただきたいと思います。

アウトリーチ事業を委託するなどNPO等と連携して実施していますが、その意義を、どのようにお考えでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:
アウトリーチで支援を届けるためには、困難を抱えた方々にこちらからアプローチし、その方とつながり、信頼関係を構築していくことが必要です。
民間支援団体は、支援対象者となる方を取り巻く環境を熟知し、豊富な支援の経験と実績を有しておりますので、そのような団体の持つ力を活かすことにより、対象者に寄り添った関わりが可能となり、より高い効果が期待できるものと考えております。

いのまた由美
いのまた由美

そのアウトリーチ事業が、円滑に実施され、対象者に知ってもらうためには、他局や関係機関等に周知協力を求めるサポートをしていただきたいですが、いかがでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:

 本事業は本市としてもはじめての取り組みでありますことから、事業開始の前に、各区役所や児童相談所、子供相談支援センターといった庁内関係部署をはじめ、事業実施地域を所管する警察署や地域のまちづくり団体に事業のご説明と周知への協力依頼を行ってきたところでございます。
今後も、事業を進める中で必要に応じ、関係機関等との連携を図ってまいりたいと存じます。

いのまた由美
いのまた由美

多様な課題を抱えている若年女性支援のためには、例えばSNSなどが入口となる性被害の理解、虐待や性暴力のトラウマの影響や障害理解、権利保障のための制度理解など多岐にわたる知識も必要です。支援者の育成や底上げのために、研修の実施や受講補助をするなど求めますが、いかがでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:

 困難を抱えた方に必要な支援を届けるためには、行政と民間、双方が支援に必要な知識を有し、専門性を高めることが肝要と認識しております。
そうしたことから、本市で主催する性暴力の被害者支援の講座では、行政、民間問わず受講者を募集しております。実際に民間支援団体からも多くの受講者が参加しており、被害者支援のためのスキルアップにつながっているものと受け止めております。
アウトリーチ型相談支援事業の受託者にもこうした講座を案内するなど、様々なスキルアップの機会を提案してまいりたいと存じます。

困難を抱える女性の「レスパイト」

いのまた由美
いのまた由美

本市は、困難を抱える女性支援の宿泊「レスパイト」事業を始めて2年目になります。この概要と、運用状況、どのような方に利用されているのかを、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

レスパイト事業は、現在DVなど困難な状況にある方が、一定期間その状況から離れ、安全な場所で過ごすことにより、次へのステップを考えていただけるよう、一時的な居場所を提供する事業でございます。
今年度は11月末までで、6件8名の利用があり、DVからの一時避難を希望するものの、入所条件が合致しないなどの理由で一時保護所やシェルター等の利用が難しい場合や、それらの施設入所までに時間がかかる場合などに利用いただいております。

いのまた由美
いのまた由美

DV一時シェルターの利用待ちですとか、限定された方のみ利用できる状況ですが、一方、他自治体では、居場所の延長で、本人の必要に応じてレスパイトを提供している事例もあります。例えば、長野県上田市では、ゲストハウスを活用して「雨風しのげる女性のための宿」を文化団体やNPOと協働で行っていました。本市でも居場所事業に宿泊も含めて検討していくべきですが、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

昨年度、上田市が実施した事業は、国の交付金を活用したものでありまして、本市といたしましても、今後どのような居場所支援が必要なのかについては、関係団体の方々と意見交換しながら、財源確保も含め検討してまいりたいと存じます。

DVの相談対応と、パープル・ライトアップ

いのまた由美
いのまた由美

DVについて伺います。本市では、どのような暴力をDVと捉えて、どんな周知啓発をしているのか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:

配偶者やパートナーなど親密な関係にある相手からの暴力で、身体的な暴力のほか、精神的、経済的、性的なものに加えて、人間関係を制限する社会的なものや、子どもの前での暴力や言葉による中傷などをドメスティックバイオレンスとして捉え、その被害防止に向けた理解を深めていただくための周知啓発を行っております。

いのまた由美
いのまた由美

必ずしも身体的ですぐに殺されてしまいそうなものだけではない幅広い形のDVがあります。DV加害者は暴力を正当化して繰り返し、被害者は暴力を受ける自分が悪いと家庭内で植え付けられますが、暴力を受けてよい人などいないのです。恐怖感や無力感、経済的な問題、子どもの問題、生活基盤や人間関係を失うことへの抵抗などから、逃げることができず被害者は葛藤しています。そうした心理を抱えて勇気を出して相談窓口を訪れることができます。本市のDV相談の窓口の一つに各区役所保健福祉センターもあります。もしまかり間違ってその窓口で、「夫婦間にはいろいろあるから、その程度ではDVとは言えない」など被害を過小評価し、水際作戦ともいえる対応があったとしたら、とんでもないことです。区役所での言葉がけが二次加害にならないようになど、どのような配慮をして対応をしているのか、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:

区役所の窓口でDV相談にあたる相談員に対しては、基礎知識を習得するための研修を実施しているほか、相談に来られる方に安心感を与える接し方などを示した窓口対応のマニュアルも配付しております。
そのような研修などを通じて得た知識や経験をもとに、区の窓口では相談者が安心して話しやすい環境づくりや、相談に来られる方に寄り添った対応を心がけているものと考えております。

いのまた由美
いのまた由美

区役所窓口では、家庭相談員等が、子供と家庭に関する、DVや虐待やひとり親家庭支援など、多岐にわたる相談を担っています。知識や経験やスキルを高める人材育成を進めていくべきですが、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:

 

家庭相談員の人材育成につきましては、従来から新任研修、OJT、外部研修への参加により行ってきたところですが、複雑化する悩みに寄り添い、解決をサポートするためには、相談員のスキル向上が不可欠であると認識しております。
そのため、今年度、新たに家庭相談員人材育成計画を作成し、日々の業務を通じて資質の向上を図れるよう各職場で活用を始めたところでございます。こうした取組みを通じて対応力の強化に努めてまいりたいと存じます。

いのまた由美
いのまた由美

最後に、11月12日から25日は「女性に対する暴力をなくす運動期間」でした。その象徴としてパーブル・ライトアップが全国388カ所で展開されました。私も、常任委員会視察で宿泊した岡山市で、ちょうど岡山城のパープルライトアップを見ることができました。本市の取組状況を伺います。また、市有施設や関連施設でもパープルライトアップを実施すべきですが、お伺いします。

仙台市当局
仙台市当局

市民局長:
本市におきましては「女性に対する暴力をなくす運動」期間に合わせ「ストップ!DVキャンペーン」を実施し、女性への暴力相談電話の受付時間延長や地下鉄へのポスター掲出、アエルビルへの懸垂幕掲示などの取り組みを行っており、パープルライトアップにつきましては、市内民間施設で実施している例がございます。
引き続き、より効果的な啓発の手法について検討してまいりたいと存じます。

いのまた由美
いのまた由美

女性の三分の一がDV被害を経験し、七分の一が継続して被害を受けているというデータがあります。身近にある重大な人権侵害状況を改善するために、女性に対するあらゆる暴力や性暴力をゆるさないための取組を、仙台市もがんばって進めていただきたいと思います。

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上記は、いのまた由美作成のメモより掲載しており、当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。正確な会議録はこちらから検索できます。

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仙台市議会インターネット議会中継
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