ゼロカーボンシティへの仙台市の施策を質問しました

2023年9月12日から10月13日までの会期で、第3回定例会が開かれました。2022年度の決算等審査特別委員会にて、いのまた由美は第三分科会に所属して登壇しました。

ここに質問と答弁のメモを掲載します。正確な記録ではないということをご了承ください。録画配信や会議録が出たらそちらをご参照ください。

脱炭素都市づくり

温室効果ガス削減の目標に対する進捗について

いのまた由美
いのまた由美

私からは地球温暖化対策事業の「脱炭素都市づくり等」などについて、決算年度の取組をいくつか伺っています。すでに他の委員の方が質問されたところがあるのですけれども再確認するところもあります。まず、仙台市における温室効果ガス排出量、総量と、削減の目標に対する進捗について、伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)

市域における温室効果ガス排出量は、直近の実績となる令和3年度の速報値で745万トンとなっております。基準年である平成25年度に比べ18.3%減少しており、現行の35%削減目標に対して順調に進捗しているところでございます。

いのまた由美
いのまた由美

排出量の部門別の構成割合について伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)

温室効果ガス排出量の部門別の構成割合でございますが、令和3年度速報値で、運輸部門が全体の24%と最も排出割合が大きく、次いで家庭部門と業務部門がそれぞれ22%、産業部門が16%となっております。

いのまた由美
いのまた由美

部門別の削減目標についても伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
改定中間案における部門別の削減目標は、業務部門が76%削減、家庭部門が66%削減、産業部門が64%削減などとなっております。

事業部門の温室効果ガス削減について

温室効果ガス削減アクションプログラム

いのまた由美
いのまた由美

2030年度までに2013年度比で35%削減をして、さらにその目標を今年度の計画では55%削減にし、最終的には2050年度までにカーボンニュートラル、実質ゼロを達成することをめざすとしていることで、本市の環境局の取組み計画に掲げている施策について、一つ一つの施策がどういった排出削減の効果を知りたいのですけれども、すぐに出せる数字と集計が必要な数字があるということで、今日はすぐに出せる数字について確認もしていきたいと思います。

まず排出量6割をしめる事業活動からの排出削減を進めるためにおこなった、決算年度の取組をご説明ください。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
市域の排出量の約6割を占める事業活動からの削減を進めるため、令和2年度から事業者と連携して取り組む「温室効果ガス削減アクションプログラム」を運用しております。決算年度においては、市職員と外部専門家が事業所を訪問し、計画書の作成支援や業種業態に応じた助言などのきめ細かな支援を実施した他、省エネ・再エネ設備や次世代自動車導入のための補助を行ったところです

いのまた由美
いのまた由美

「温室効果ガス削減アクションプログラム」に関して、任意で参加している一般事業者の皆さまの取組みについては、加藤委員が詳しくお聞きしていて状況はだいたいわかりましたが、一般事業者の参加をこれから増やしていく上での課題については、どのようにお考えなのか、お伺いします。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
令和2年度から4年度までの第一計画期間における、一般事業者の参加は、83事業者、219事業所となりましたが、市内の総事業者数から見ると、まだまだ参加を促していく必要があると認識をしております。一般事業者となる中小企業者の多くは、人員や資金が限られているため、環境配慮を優先した取り組みが厳しい状況にあると伺っており、引き続き、専門家等による助言や、各種補助金制度による支援を通じて、中小企業者の皆さまの取り組みが進むよう、最大限サポートしてまいりたいと考えております。

いのまた由美
いのまた由美

「アクションプログラム」により削減できた排出量を確認したいので、お示しください。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
「温室効果ガス削減アクションプログラム」による削減量でございますが、直近の令和3年度のデータでは、約13万トンの削減となっております。

いのまた由美
いのまた由美

13万トンは2013年度比なのか、前年比なのか、どちらですか。

仙台市当局
仙台市当局

13万トンの削減でございますが、令和元年度からの削減量となっております。

事業者向けの太陽光発電導入補助について

いのまた由美
いのまた由美

次に、中小事業者向けの他の施策について伺います。次世代自動車導入のための補助は人気があって予算ぴったりの応募があったということですが、事業者向け太陽光発電導入等の補助については、応募がなかなかなかったと先ほど伺いましたが、それは省エネ・再エネ設備の推進補助とイコールということでよろしいですか。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
中小企業者向けの補助のうち決算年度における予算額800万円に対し、決算額198万円となっておりましたのが太陽光発電を導入する場合の補助でございます。

いのまた由美
いのまた由美

応募がなかったことに対して、まだ今年度も続けていますが、どういった課題があって克服して推進しようとしているのか、認識を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
本補助金の対象となる中小企業者の多くが、やはり人員や資金が限られているということもございまして、環境配慮を優先した取り組みがなかなか難しい状況にあると伺っております。今般エネルギー価格の高騰も一つの機会ととらえまして、太陽光発電導入によるコストメリットも紹介しながら、本補助制度のご利用を促しているところでございます。

家庭における温室効果ガス排出削減について

いのまた由美
いのまた由美

次に家庭における温室効果ガス排出量削減について伺います。本市の排出量の22%を家庭が占めているということですが、それを削減していくために当初予算5300万円が組まれていました。どういった取組みを決算年度におこなわれたのかご説明ください。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
家庭における主な取組みといたしましては、省エネ家電買替キャンペーン、熱エネルギー有効活用支援補助金、ZEH促進補助金、それから自家消費型太陽光発電システムの普及促進事業が、決算年度において取り組んできたところでございます。

初めに、省エネ家電買替キャンペーンでございますが、本事業は家電の中でも電気使用量が特に大きい冷蔵庫とエアコンについて、省エネ性能の高い製品への買替を行った方を対象として、商品券などの景品を抽選で贈呈するものでございます。

「熱エネルギー有効活用支援補助金」は、窓の断熱改修やエネファーム等の導入により、家庭における省エネを促進するものでございまして、「ZEH普及促進補助」は、温室効果ガスの排出が実質ゼロとなる住宅を新築・購入する方を対象に、最大20万円を補助するものでございます。

最後に「自家消費型太陽光発電システムの普及促進事業」でございますが、こちらは初期費用ゼロ太陽光発電システムの導入補助事業、また太陽光パネルと蓄電池の共同購入事業を進めてきたところでございます。

いのまた由美
いのまた由美

これまでの委員の質問の中でも聞かれて応えられていらっしゃいましたが、もう一度確認させていただきます。それぞれの取組みについての予算額と決算額を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
初めに、「省エネ家電買替キャンペーン」につきましては、決算年度における予算額・決算額ともに200万円となっております。「熱エネルギー有効活用支援補助」は、予算額が2500万円に対し、決算額が2466万円。「ZEH普及促進補助」は予算額が600万円に対し、決算額が540万円となっております。「自家消費型太陽光発電システム普及促進事業」につきましては、初期費用ゼロ太陽光発電システム導入支援補助の方が、残念ながら実績はなかったところでございます。また太陽光パネル・蓄電池の共同購入事業につきましては、こちらは本市の予算を伴うものではございません。

いのまた由美
いのまた由美

それぞれの取組みで削減できた排出量をお示しください。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
決算年度における各家庭向けの取組みによるCO2の削減量でございますけれども、「家電買替キャンペーン」につきましては42トン、「熱エネルギー有効活用支援補助」につきましては162トン、「ZEH普及促進補助」に関しましては約147トン、太陽光パネルと蓄電池の共同購入事業につきましては約155トン、合計で約505トンとなっております。

いのまた由美
いのまた由美

決算年度前年比で505トン削減できたということでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
先ほど申し上げた約500トンは、これらの事業による削減量ということになっております。決算年度における削減量ということになります。

いのまた由美
いのまた由美

決算年度に行われた家庭における温室効果ガス排出削減の取組を、今年度は、「おうちのゼロカーボンまるっと応援パッケージ」として予算も10倍規模で多くなって一体化して行われていますけれども、どういった目的があって一体化して進めているのでしょうか。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
本市におきましては、全国に比べて家庭部門からの温室効果ガス排出割合が大きいことから、市民の皆さまに、より一層地球温暖化対策を「自分ごと」として捉え、積極的に取り組んでいただく必要がございます。このことから、今年度は、ご家庭のゼロカーボンを後押しするため、新たに高断熱住宅の普及に向けた補助金等を創設するとともに、既存施策を含め、全体事業費も大幅に増額したうえで、本市の様々な家庭向け施策をひとまとめにして、わかりやすく発信する「おうちのゼロカーボンまるっと応援パッケージ」へと発展させたところでございます。

いのまた由美
いのまた由美

より家庭でのわかりやすさが広がって一緒に取組まれる市民の方が増えたらいいと思います。

次世代エネルギー創出促進事業

いのまた由美
いのまた由美

次に、「次世代エネルギー創出促進事業」について伺います。こちらの内容は「仙台市内において安全クリーンなエネルギーの供給を行う事業所や次世代エネルギー等の供給・実証実験を行う施設を新設される事業者に固定資産税などの相当分を助成する」という内容という事業内容でよろしかったでしょうか。ご確認します。

仙台市当局
仙台市当局

委員ご理解のとおりです。

いのまた由美
いのまた由美

「次世代エネルギー創出促進事業」の予算推移額をみると大きく伸びていない現状に見えます。エネルギーの地産地消を作っていくという意義はとても重要だと思いますが、大きく広がっていないということに対する認識・課題、今後の方向性がどうなっていくのかお伺いいたします。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
エネルギー地産地消の地域づくりのモデル的な取り組みといたしましては、震災におけるエネルギー途絶という経験を踏まえて、復興公営住宅が整備された田子西、荒井東の両地区において、令和4年度までを事業期間として事業者と連携して進めてきた「エコモデルタウン推進事業」がございます。本事業は、事業を開始した平成25年当時としては、先進的なエネルギーマネジメントシステムを導入し、複数の設備の効率的な運用等を図ったものでございますが、収益性の確保といった課題もあったところでございます。今後は、本事業で得られた知見と、最新の技術を組み合わせた、エネルギーマネジメントシステムのあるべき姿について発信することで、エネルギー地産地消の地域づくりの普及に努めてまいりたいたいと考えております。

公共施設における温室効果ガス削減推進

いのまた由美
いのまた由美

次に、「公共施設における温室効果ガス削減推進」ついても、加藤委員がお聞きになっていたので、私からも率先して公共事業が脱炭素を進めていくことは重要だと思いますので取組を推進することを求めて、質問を3点飛ばします。

都心部グリーンビルディング整備促進

いのまた由美
いのまた由美

決算年度における、「都心部グリーンビルディング整備促進制度検討」の概要と検討結果について伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(地球温暖化対策推進課長)
本事業は、都心部における、環境に最大限配慮した建築物いわゆる、グリーンビルディングの導入促進に向けた施策検討を行うものでございまして、一般的なZEB化費用の試算を行ったものでございます。現在、この試算結果も踏まえ、導入促進に向けた施策のあり方について内部で検討を行っているところでございます。

温室効果ガス「吸収量」増大への取組について

いのまた由美
いのまた由美

令和5年の地球温暖化対策推進計画の中間案が出てきましたけれども、温室効果ガスの削減に加えて吸収量についても推計が加わっています。森林や都市公園の面積から計算した2021年度の吸収量が12.4万トンと出ています。こういった適切な森林管理や木材の活用について環境局でもさらに取組を後押しや手法を今後検討していっていただきたいということは意見をいたします。

J-クレジット

いのまた由美
いのまた由美

そして関連して、関連して、適切な森林管理などによる温室効果ガス吸収量の増加分や再エネ導入などによる削減量をJ-クレジットとして販売できる制度もございまして、本市も東北経済産業局のJ-クレジット東北地域推進協議会に参画をしていらっしゃると思います。次の計画にも書かれています。こうした本市が行っている諸々の脱炭素都市づくりに関する様々な施策とJ-クレジットを組み合わせるなどして創出していく可能性もあると思います。例えば、札幌市では市民の家庭における温室効果ガス排出削減量を「札幌市エコエネクラブ」としてまとめてクレジット化して、環境価値を見える化して取組のPRに使っています。そしてクレジットの売却益は地球環境保全に活用しています。市民をまとめてクレジットを創出するという他にも、例えば事業者においては一般事業者さんにも排出量の見える化も進んでいるので、そういったところと関連づけてクレジット化もできるのではないでしょうか。こちらは研究されることを求めます。

ブルーカーボンオフセット

いのまた由美
いのまた由美

カーボンオフセットのことでいいますと、「ブルーカーボンオフセット」、海洋生態系が吸収する温室効果ガスの吸収量をクレジット化して排出量と差し引きするという取組もあります。福岡市では博多湾のブルーカーボンオフセットを令和2年からやっています。本市においても、例えば東部沿岸で市民の皆さんが大切に環境保全をしている海辺・浜辺でも検討していけたらいいと思いました。

ゼロカーボンシティ実現にむけて

いのまた由美
いのまた由美

その他にも排出量を減らしていくためには、乗用車から公共交通利用にシフトをするために、公共交通の維持やインセンティブをつけていくことや、ウォーカブルなまちづくりですとか、こういったことも環境局が主導した事業提案の中で行っていくことも、考えられるのではないかと思っています。

最後の質問になりますが、仙台市の施策の環境価値を見える化していって、暮らしのすみずみまでみんなでゼロカーボンを目指していくということで、まちの魅力を上げていってほしいと考えますが、環境局長のご所見を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(環境局長)
脱炭素都市の実現に向けましては、みどりに関する施策をはじめ、市政の幅広い分野で脱炭素に資する取り組みを展開していくことが重要であると、そのように認識をしております。そのためには、庁内各局の施策に「脱炭素」という横串を通し、各部局が一丸となって、「杜の都」の強みを活かした取り組みを推進することが不可欠なものだと、そのように考えております。
今後とも、環境局が先頭に立ちつつ、各局のより緊密な連携のもとで全庁的な脱炭素の取り組みを進め、ゼロカーボンシティの実現とともに、まちの魅力向上に努めてまいりたい、そのように考えております。

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録画中継も視聴できます。「いのまた由美/令和5年第3回定例会/9月27日/決算等審査特別委員会(第3分科会)/環境局」をご覧ください。

仙台市議会インターネット議会中継
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