第3定例会の追加議案に会派を代表して質疑しました【仙台市議会】

仙台市議会 2022年第3回定例会

2022年9月5日から10月6日まで開かれた第3回定例会の、追加議案に対する質疑を、遅くなりましたが、アップします。第3定例会の決算等審査特別委員会が開かれている期間に、新型コロナの濃厚接触者になったので、9月26日は欠席しました。決算審査で建設局(公園管理)や都市整備局(大規模盛土の滑動崩落予防対策)の決算の質問を予定していましたが、欠席したのでできなくなってしまいました。その後、復帰してから会期中に補正予算案の追加提案(補正予算第7号)があり、10月4日に会派を代表して質疑に立ちました。

質疑と答弁

質問項目
・電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金
 ・物価高の市民生活への影響
 ・申請が必要な方への周知
 ・支給ミスの防止
・G7仙台科学技術大臣会合開催準備に要する経費
 ・2016年G7仙台の検証と評価
 ・本市の科学技術分野の振興
 ・ジェンダーの視点
 ・次世代育成の視点

いのまた由美
いのまた由美

 社民フォーラム市議団のいのまた由美です。議長のお許しをいただき、会派を代表して質疑をいたします。
 今回、追加予算案が議会に提案されたことを歓迎いたします。我が会派は、これまで、コロナ対策でやむを得ないというものの、多くの予算案が専決処分されてきたことに対して、議会に提案して議論することを求めてきました。
 東京都小金井市では、公立保育所廃止条例案が、継続審査の報告が九月二十八日に本会議であったところ、その翌日に市長が専決処分をし、議会運営に今混乱や衝撃を与えています。議会軽視という声も上がっています。
 今回、本市で、議会中の追加提案でタイトな日程とはなりましたけれども、議会で議論されることを歓迎し、今後もできるだけ議会での議論を基本とすべきと考えますが、所見を伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(総務局長)
 専決処分に関する御質問にお答えいたします。
 令和元年度末から今年度にかけての専決処分につきましては、感染症や地震被害において、急ぎ対策を講じる必要があったものでございます。
 もとより、条例案や補正予算案など議会において議決すべき案件につきましては、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであるときを除き、議会に御提案の上、御審議いただくことが基本でございます。引き続き、そのような認識の下、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金

いのまた由美
いのまた由美

健康福祉費、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金の支給について伺います。
 十月から値上げした食品は六千六百九十九品目と報じられました。この間続いているインフレは、物価高騰に合わせて賃金が上がっていないことから、悪質なインフレと指摘する声もあります。今回の緊急支援給付金は五万円と提案されていますが、物価高騰による家庭の出費の上昇は一家庭当たり年間七、八万円という試算もあります。緊急支援給付金が五万円で十分と考えておられるのか伺います。

 物価高騰により家計への影響が大きいのは、今回の対象世帯だけではありません。食費や光熱費が高騰すると、所得が低く資産がない家庭ほど大きな影響を受けますが、住民税非課税世帯が対象だと、対象の七から八割が年金生活者と見られ、子育て世帯が少ないため、独り親家庭への児童扶養手当受給世帯等も独自給付の対象としている北九州市などの例もあります。
 フードバンク仙台は、二〇二二年四月から七月まで、千百三十四件の食料支援依頼や相談を受けたと公表しています。そのうち、電気、ガス、携帯電話のいずれかを滞納している方は二五%、水道代の滞納者が二〇%に上っているとのことで、団体はライフラインの負担軽減等を求めています。
 また、食料支援を受けている方の四割が就業中で、働いていても貧困という現状で、貯蓄ゼロ世帯の割合が五割から六割に増えている状態です。電力、ガス、食料品等の価格高騰による本市の市民生活への影響をどのように認識されているのか伺います。また、給付金の対象以外の方への支援策を今後行うべきですが、伺います。

 今回の緊急支援給付金は、コロナによる影響を受けて困難に直面された方に給付された、一世帯当たり十万円の臨時特別給付金と同じスキームで実施されるとのことで、対象者の非課税世帯に確認書を送付して返送いただく、いわゆるプッシュ型で実施されます。十万円給付のときの市内の受給対象者からは、申請が簡単でありがたかったという声も聞いています。
 コロナの影響や物価高が続き、働いても賃金が低いとか不安定だとか、より弱い立場にある方の生活の苦しい状況の大本は変わらないまま、様々な名前の給付金や支援金が手当てされている中で、十万円の臨時特別給付金と今回提案の五万円の緊急支援給付金が、新たな給付金であるということが分かりやすいように、説明の工夫も必要と考えますが、伺います。

 十万円の臨時特別給付金もそうでしたが、世帯単位で支給すること自体が、様々な家族関係がある中で、必要な人に届かないおそれを発生させます。過去、DVで逃げている事例については、十万円給付金の支給が行き届くよう取扱いや説明が追加されてきました。また、過去、基準日の前に世帯分離をして住民基本台帳への記録が間に合わなかったために、申請できるかどうか分からなかったという事例もありました。そういった家計急変に該当するか分からないということが極力ないように、支給できる例を示すなど、お示しの仕方の改善が必要と考えます。取組を伺います。

 該当する一人一人に届くための周知が重要です。コールセンターの存在を広く広報すべきで、SNSの活用も必要ですが、お伺いいたします。

 仙台市の内部統制評価報告書によると、令和三年度の不適切処理等は五百三件あり、不備の類型を三つの分類しているうちの、収納金の誤徴収や支援金等の支給漏れなどの財務関係の不備が二百八十二件、五六%と報告されています。令和二年度より八十八件増えていることも遺憾と思います。 健康福祉局の関係では、十万円の臨時特別給付金と冬季生活助成金にも支給誤りもありました。このことについての受け止めと、緊急支援給付金においてミスを繰り返さないために、今回はどのような改善策を取るのかを伺います。

仙台市当局
仙台市当局

(市長)
給付金対象者以外の支援についてでございます。
 今定例会においては、特に家計への影響が大きい住民税非課税世帯等の皆様に対する緊急支援給付金事業に関する予算を追加提案させていただいたところでございますが、今般のエネルギー、食料品価格等の物価高騰は、広く市民の皆様の日常生活に影響を及ぼしているものと、危機感を持って受け止めております。
 現在、全庁を挙げて、必要な支援策について検討を進めているところでございまして、国や県の動向などの情報収集を図りながら、今後、本市の実情に応じた施策を実施してまいります。

仙台市当局
仙台市当局

(健康福祉局長)

緊急支援給付金等に関する数点のお尋ねにお答え申し上げます。
 初めに、緊急支援給付金の支給額についてでございます。
 今回の給付金の五万円につきましては、全国一律の基準により支給されるものでございます。この給付額については、国の物価・賃金・生活総合対策本部において、低所得世帯における電力、ガス、食料品等の価格高騰に相当する金額が一か月に約五千円であるところ、今後の物価の上昇も見込み、その六か月分の額を十分に上回る金額を支給する旨、示されているところでございます。
 次に、緊急支援給付金の説明の工夫や周知の改善についてお答え申し上げます。
 緊急支援給付金につきましては、現在実施しております住民税非課税世帯等への臨時特別給付金の支給対象者と対象世帯が重複することから、臨時特別給付金とは別に、緊急支援給付金を受給できる旨、お送りする書類に分かりやすく記載するなど、説明を工夫してまいりたいと存じます。
 また、世帯単位の支給となるため、世帯分離や様々な御事情により対象となるのか判断が難しいケースにつきましては、コールセンターや相談窓口において御相談をお受けし、丁寧に御説明をしてまいります。
 緊急支援給付金の制度の周知についてでございます。
 支給対象となる世帯に該当するのかどうかの例示につきましては、現在も本市ホームページに、よくある質問と回答の形で掲載をし、周知をしておりますが、今後その内容を充実させるとともに、分かりやすい説明に努めてまいります。
 また、これまでの臨時特別給付金の支給に当たりましても、仙台市のLINEなどSNSを活用した広報を実施してきたところであり、今回の緊急支援給付金に当たりましても、広報の頻度を増やすとともに、時期を捉えた効果的な手法により、対象となる世帯に情報が届くよう取り組んでまいりたいと存じます。
 臨時特別給付金等の支給ミスの受け止めと改善策についてお答えいたします。
 支給対象外である住民税課税世帯に誤って支給するミスが発生したことは、本市の職員と業務を委託している事業者との連携が不十分であったことが原因で、基本的な情報共有が不足していたものと受け止めております。
 この件に関しましては、給付金事務全般について事務フローを見直し、誤支給を防止するシステム改修などの改善策を講じたところですが、今回の緊急支援給付金の事務処理に当たりましては、同様のミスを繰り返さないよう、日常的に事務処理手順の確認を行うなど、正確かつ迅速な支給に努めてまいりたいと存じます。

G7仙台科学技術大臣会合開催準備に要する経費

いのまた由美
いのまた由美

次に、経済費、G7仙台科学技術大臣会合開催準備に要する経費八千二十二万円について伺います。

 まず、これは全額、財政調整基金の取崩しによる本市の一般財源からの支出となっていますが、国からの経費負担はないものなのか伺います。

 二〇一六年には、G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議が行われました。規模は違いますが、その検証や評価について伺います。
 今回、二〇二三年のG7開催に当たって、最も期待していることは何か伺います。

 開催をきっかけとして、仙台に科学技術分野の投資や人材が集まってほしいという将来展望もあるのではないかと考えます。本市の科学技術分野の振興の大きな種になると思いますが、いかがでしょうか、伺います。

 G7科学技術大臣会合に当たっては、ジェンダーの視点及び次世代育成の視点も大切です。最後に二問伺います。
 国の第五次男女共同参画基本計画では、科学技術・学術分野における女性の参画拡大が示されています。今年度の国の男女共同参画白書では、専門分野別に見た大学などの研究本務者では、工学、理学分野における女性割合が著しく低く、専門分野別に見た大学等入学者女性割合では、自然科学系、工学系における女性割合がOECD諸国で最下位という現状で、ジェンダー平等において大きな後れを取っている状況です。
 内閣府は、女子中高生や女子学生が理工系分野に興味、関心を持ち、将来の自分をしっかりイメージして、進路選択にチャレンジすることを応援する取組を行っています。毎年多くの大学と共に、女子中高生を対象としていろいろな施策を打っています。G7仙台の推進協力委員会等においては、協議や決定の場など、あらゆる分野にジェンダーの視点が大切ですが、御認識を伺います。

 次世代育成の視点について、大学生や高専生など若い方々との取組も期待されるところですが、子供たちへの科学技術の啓発も大切です。昨年三月に閣議決定された科学技術イノベーション基本計画によると、数学、理科が楽しいと思う我が国の児童生徒の割合が国際平均よりも低いものが多く、二〇二五年度までに国際的に遜色のない水準を視野に、その割合を増やしていくとされています。開催を契機に、本市の児童生徒が世界的な科学技術に触れ、興味を持つような取組が必要ですが、お伺いをして、私の質疑といたします。

仙台市当局
仙台市当局

(市長)
G7科学技術大臣会合についてのお尋ねでございます。
 今回のG7科学技術大臣会合では、ナノテラスや東北大学をはじめとします世界トップレベルの学術資源の存在はもとより、スーパーシティ構想やクロステックなど、最先端の科学技術をまちづくりや新産業の創出に生かしていく本市の取組についても、国内外に発信をしていきたいと考えております。
 今回の会合を契機といたしまして、本市に研究機関やグローバル企業などの立地が進み、優れた研究者が集まるといった効果を期待しているところでもございます。
 東北大学や経済界の皆様とも連携を図りながら、本市の科学技術分野のさらなる振興につなげられるよう取り組んでまいります。

仙台市当局
仙台市当局

(文化観光局長)
私からは、G7科学技術大臣会合に関し、まず費用負担についてお答えいたします。
 会合自体は国が主催するものであり、会場費や参加者の宿泊費など会合本体に係る経費は国が負担するものでございます。
 これとは別に、開催地でのおもてなし、歓迎行事や、この機会を活用した観光プロモーションなどについては、開催地独自の取組となることから、地元の負担により行うものであり、国の補助はないところでございます。
 次に、二〇一六年のG7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議の検証と評価についてでございます。
 この会議では、会議開催支援やおもてなしなどにおいて高い評価をいただきましたが、海外プレス向けツアーなど一部の関連事業において、参加者が少なかったなどの課題がございました。
 今回の会合では、関係者のニーズに合った企画やSNSを活用するなど効率的な情報発信を行い、多くの方に参加していただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、推進協力委員会におけるジェンダーの視点についてのお尋ねでございます。
 推進協力委員会は、各団体のトップの方で構成される組織となります。この委員会では、様々な事業を実施する予定でございますが、これらの事業には、性別、世代などを問わず、幅広い層の方々に参画いただきたいと考えております。
 事業実施に当たりましては、SNSなども積極的に活用し幅広くPRすることにより、多くの皆様に興味を持っていただけるよう取り組んでまいります。

仙台市当局
仙台市当局

(教育長)
子供たちに対する科学技術の啓発についてお答えをいたします。
 本市では、科学の楽しさや面白さを体験することで、児童生徒の興味関心を高めるため科学館学習を実施しておりますほか、東北大学と連携をしながら、小学六年生を対象に子ども科学キャンパス、それから、中学生を対象に大学探検などのサイエンススクールを行っているところでございます。
 今回のG7科学技術大臣会合の開催を契機といたしまして、大学等とも連携を図りながら、科学に対する興味や関心が高まるような事業の充実を図ってまいりたいと存じます。

【再質問】G7科学技術大臣会合とジェンダー

いのまた由美
いのまた由美

御答弁ありがとうございました。ジェンダーの視点のところで、お答えいただいたことに関して再質問させていただきます。
 市長がお答えいただいたところでは、G7科学技術大臣会合を実施することによって期待する効果として、研究施設や研究者など人材も集積することも将来に向けて期待されるところであるというふうにお答えをいただきました。
 私は、推進協力委員会においてジェンダーの視点を大切だということを申し上げたんですが、そういった将来的に、人材や研究者、企業立地などが世界的な目を向けられて進んでいくためには、今ある日本の科学の現状の中で、ジェンダーギャップ指数が大変高いというところがあるということを申し上げましたので、この機会に仙台をアピールするに当たって、本当に日本がこういうジェンダー平等で後れを取っているということをあえてアピールする機会にならないように、物すごく気をつけて、推進協力委員会というかG7科学技術大臣会合、おもてなしについても取り組んでいっていただきたいということを、そういう本当に広い視点、あらゆる分野でジェンダー視点ということで質問を申し上げました。
 そういった意味で、推進協力委員会のメンバーがトップの方々なわけなので、男性しかいないということにとどまらず、そういった今後推進していく大きな仙台の魅力をアピールする中で、ジェンダー平等が劣っているということを逆にアピールする機会になってしまわないように、気をつけて取り組んでいただきたいということで質問を差し上げましたので、もう一度お答えいただきたいと思います。内容を入力してください。

仙台市当局
仙台市当局

(文化観光局長)
推進協力委員会に関するジェンダーの視点についての再度の御質問にお答えいたします。
 先ほど御質問の中にもございましたが、我が国における理学系、工学系の女性研究者の割合が低いというお話、確かにございます。
 私どもの今回のG7科学技術大臣会合、おもてなしをするという中で、市民の皆様方の年代や性別を問わず、多くの方に御参画いただきたいと考えておりますので、教育委員会などとも御相談してということにもなりますが、子供たちの参画など、次代を担う子供たち、女の子、男の子とかそういう視点ではなくて、そういう形で参画をして、中長期的な形の中で日本の女性研究者、そういう形に結びつけていければと考えております。

正確な会議録や録画配信はこちらです