仙台市議会第1回定例会が開会中です【一般質問原稿未定稿】

2020年の第一回定例会が2月7日から始まりました。
私は2月18日に一般質問に登壇いたしました。
21日の健康福祉委員会、25日から質疑のはじまる予算等審査特別委員会でも発言の機会をいただきます。

とりいそぎ一般質問の質問原稿をアップします。
答弁は、録画中継で確認するか、
当局から未定稿のものをいただけたら掲載します。
最終的には会議録がアップされるまでお待たせいたします。

▼仙台市議会インターネット議会中継 いのまた由美
http://www.sendai-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=speaker_result&speaker_id=214

2020年 第1回定例会 一般質問原稿(未定稿)

2020年2月18日
いのまた由美

 社民党仙台市議団の、いのまた由美です。議長のお許しをいただきましたので一般質問をいたします。

 少子化がすすみ、育児不安が増加しています。子どもを産み育てやすい持続可能な社会にするためには、働き方を含め社会や地域全体で子育てを支援する取組みのさらなる推進が必要です。

 本市は、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援に力を入れて取り組んでおり、今年度は産婦健康診査の費用助成や、産後ケア事業の通年実施などをおこなっています。本市の産後ケア事業は開始後1年を経過しました。2019年1月から12月までの利用者実績は、宿泊型のみの利用が47組、デイサービス型のみの利用が47組、宿泊型とデイサービス型両方の利用が21組と伺いました。
全国で産後ケア事業を実施している自治体を、厚生労働省が2018年に調査した結果、出生数に占める産後ケア事業の利用者割合が1%を超える自治体が約半数ありました。本市の出生数は2017年度で8635人ですので2018年の利用割合は0.8%程度と推計できます。私はまだ利用者が少ないと考え、広報・周知・啓発が必要だと考えます。 本市の利用者数について、当局の受け止め及び課題について伺います。また利用者アンケートや事業委託先からの意見があるようでしたら、お示しください。

 昨年11月には姫路市の産後ケア事業と、「世田谷版ネウボラ」について視察いたしました。 両自治体ともに、本市同様に産前産後の切れ目のない支援を実施しておられますが、それぞれ特色もみられました。

 姫路市視察では、仙台市にはない居宅支援型=アウトリーチ型の支援も実施しており、利用者数が伸びていると伺いました。初めての赤ちゃんの場合も、複数の子どもがいる場合も、子連れで外出するのはハードルが高いと実感としてよくわかります。 昨年12月には母子保健法が一部改正され、産後ケア事業が法制化され、事業の対象者が現在の生後4か月未満の乳児とその母親から、生後1年までと拡大されています。産後1年までの母親の死亡原因のトップは自死ということが最近の調査で明らかになりました。誰にでも高頻度で発症する可能性のある産後うつを予防する重要性も認識されてきました。その対策として、本市の産後ケア事業の対象者を生後1年まで拡大することや、アウトリーチ型を実施するなど、事業のさらなる充実を求めるものですが、ご所見を伺います。

 世田谷区では、「妊娠期からの切れ目のない支援」のひとつとして妊婦との面接後に、「せたがや子育て利用券」を配布しています。「せたがや子育て利用券」は地域のさまざまな産前・産後サービスを受けられる券です。マタニティ講座や、産後ケア、家事援助、一時預かり、病児・病後保育、さらには地域の親子のための集まりの参加費にも使うことができます。様々なメニューの中でも好評であるとのことでした。

 私は、育児疲れがみられる赤ちゃん連れのお母さんに、本市の産後ケア事業のショートステイをおすすめしたことがありますが、利用者負担額をみると躊躇するという気持ちを聞きました。母親には自分自身のためにお金を使うことをためらってしまったり罪悪感をもつ傾向がみられます。必要な方に産後ケア事業を利用してもらいやすくするために、「子育て利用券」として配布するのは有効だと考えます。

そして、世田谷区では「子育て利用券」とセットで、利用券を使えるサービスを一覧にした冊子を配布しています。すでにあるサービスを一つのパッケージとして見える化している点で、わかりやすい情報発信であるとと考えます。

また冊子には、公的な支援サービス以外に、地域の支援者や民間団体・企業のサービスも一緒に示されています。このことは、本市が進めている「地域社会全体で子育てを応援していく環境づくり」や機運の醸成にとっても、資すると考えるものです。

私は、次年度に策定される「仙台市すこやか子育てプラン」の、中間案であげられている基本的な視点に資する取組として、「せんだい子育て利用券」を中心に据えた取組は有効と考えます。当局のご所見を伺います。

 次に、こどもの虐待予防と対策について伺います。郡市長は次年度の施政方針で、児童虐待へのより迅速かつ的確な対応を図るため、児童相談所における児童福祉司の増員と一時保護の受け皿の拡充を実施するとしています。私や会派も要望してまいりましたが、今回どのような効果を期待しての増員としたのか伺います。  また、児童相談所の機能強化は、今後も求められますが、その展望を具体にお示しください。

 厚生労働省の「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について」の第15次報告が昨年8月に出されました。2017年度の全国の虐待死52人のうち、0歳児が28人で、そのうち0歳0か月児が14人となっています。

 今年、1月1日に東京都内でひとりの新生児がなくなりました。現在の社会を象徴するショックなニュースです。保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された母親は、12月28日に一人暮らしの自宅の浴室で出産したものの、その後もパチンコ店と飲食店のアルバイトを掛け持ちして長時間働き、自宅をあけているうちに赤ちゃんが衰弱し亡くなったとのことです。母親は妊娠時も出産後も医療機関を受診していなかったと報じられています。出産後、粉ミルクや哺乳瓶を購入し、赤ちゃんにベビー服を着せていたといいます。「病院に連れて行くお金がなかった。周囲に相談できる人もいなかった」 と言っています。

支援者とつながることができていれば、失われなかった命と思われます。 このような不幸をなくしていかなければなりません。そのためには出産前の妊娠時からの対策と、予期しない妊娠への対応をすすめていかなければならないと考えます。

本市のこれまでの取組みでの課題と、今後の対策について伺います。この質問に関連してあと4問伺います。

 2点目は、本市の次年度予算案の特定妊婦と疑われる人への支援についてです。特定妊婦とは出産後の子どもの養育について出産前から公的支援が必要と認められる妊婦のことです。例えば、複雑な家庭内事情を持っている場合や、未成年である場合など、さまざまな側面が判断要因になります。特定妊婦と疑われる人への支援を実施する背景や課題認識と、具体的な支援内容を伺います。

 3点目は、実際に分娩を扱っている仙台市立病院において、どのような取組みをしているのかを伺います。区役所等関係機関との連携体制が大切と考えますが、今後の展望も伺います。

 4点目は妊娠相談の充実です。本市は電話での妊娠SOS相談も実施されています。

私は、東京・埼玉・千葉の3つの妊娠相談窓口を運営している「特定非営利活動法人ピッコラーレ」の代表からお話をお聞きしました。相談相手のいない妊婦や居場所のない妊婦などからの相談を受けやすくするためにはメールやSNSが有効とのことです。本市でも

民間団体とのさらなる連携でメールやSNSを使って相談を受けられるようにするなど、必要な人に届く窓口を充実させるとより効果があると考えます。ご所見を伺います。

 5点目は、性に関する教育についてです。予期しない妊娠や、性暴力加害・被害をうまないためにも性教育は必要です。発達段階や成長に応じて少しずつ、性のしくみや性的同意の必要性などを学んでいくことが、自分や他人を大切にすることにつながります。一人ひとりが尊重されるという人権の教育として重要です。本市の学校教育における性に関する教育をどのような視点で取り組んできているのか、実施状況とあわせて伺います。

 次に、不登校のこどもや家庭へのかかわりについて伺います。

 本市の次年度の施策の第一の柱に、「若い力が育ち、活躍するまちへの挑戦」 が示されています。特にあげられている施策が2点あり、1点が学校以外での学習や体験活動の場を充実するため「杜のひろば」を増設すること。2点が、学校訪問対応相談員を増員し、別室での支援の充実に努めるとされています。

本市の2018年度の不登校児童生徒数は1668名であり、「児遊の杜」と「杜のひろば」に通級していた児童生徒数は251名と伺いました。特に小学生の保護者からは、「杜のひろば」は定員を超えていて通うことができないという声を聞いており、受け皿拡大を求めてきましたので、増設は適切と考えます。けれども、「児遊の杜」や「杜のひろば」だけでは、増加する不登校児童生徒の、学校外の過ごし方への対応も十分ではありません。

  「不登校児童生徒への支援の在り方について」という教育確保法に関する文科省の通知が昨年10月25日に出されました。「不登校児童生徒への支援は,『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではない」というもので、私も12月の本会議で認識を伺いましたし、今議会でも教育長もその通知にのっとってご答弁されています。けれども、児童生徒や保護者と直接対応する教育現場でもこの通知にある考え方は、まだ浸透していないと考えます。不登校は子どもや家庭の問題行動であるから登校させなければならないという、これまでの周りからの捉え方は、傷つき困っている子どもや家庭をさらに追い詰めることにもつながります。教員・スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等に、通知をどのように周知しているのか、伺います。

昨年3月に不登校対策検討委員会の報告書で提言が出されました。それらを反映できるよう今後も施策を進めていくことが重要と考えます。現在の本市では不登校支援ネットワークなど学校と学校外の連携にも取組んでいますが、十分にとらえきれていない不登校の保護者の支援や、実態把握や調査を進めていくべきと考えます。具体としては、現在仙台市内では、「児遊の杜」「杜のひろば」に所属している以外にも、親の会の居場所作りが自主的に進んでいますので、意見交換等を行い取組を補強していくことを求めますが、ご所見を伺います。

 「学校訪問対応相談員」は、学校の教室以外の別室で過ごしている児童生徒の個々の状況に応じた支援をできるので、増員を歓迎します。現在、学校で「別室」で過ごしている児童生徒はどのくらいいるのでしょうか。別室で過ごしている児童生徒には、その学校ごとに臨機応変に工夫して教員が対応していると聞き及んでいます。専任の教員や大人を増やしていかなければならないと考えます。現状をどのように把握されているのか、その上に立っての今後の取組を伺います。

 無限の可能性を秘める子どもたちの個性を尊重する環境づくりには、教員の多忙状況の改善など組織体制の強化がかかせません。通級指導教室などにおけるソーシャルスキルトレーニングの充実など特別支援教育との連携、発達障害支援の連携、それぞれの体制強化が必要です。一人ひとりの子どもの個性や発達に応じた学びの場を保障することを求め、私の第一問といたします。ご清聴ありがとうございました。