【仙台】困窮する若年女性支援【議会】

2020年12月11日の一般質問です(その5)

仙台市議会2020年の第4回定例会の、いのまた由美の一般質問の、その5のメモを掲載します。

質問項目

1. 仙台市戦災復興記念館と平和の大切さを語り継ぐ取組
2. コロナ禍を生き延びていくために、弱い立場にある人たちを支える取組
・年末年始に生活困窮に陥っている人への対応
・急増している自死、ジェンダー視点での自死対策
・増加しているDV相談に対する取り組み
・DV対応民間団体の動向把握と連携や補助
・若年女性が社会的資源に繋がるための支援
・思いがけない妊娠相談、民間団体との連携
・コロナ禍における障害児の保護者の負担増への対応
・未就学児親子の自主的な集まりのための支援
・ひとり親家庭の現状の受け止め
・生活保護申請世帯が増えていないことへの認識
・要支援子育て家庭と繋がるためのアウトリーチ
3. 周産期医療の拠点としての仙台赤十字病院

録画映像が、仙台市議会の議会中継のページにアップされています。

仙台市議会インターネット議会中継
仙台市議会インターネット議会中継

 

困窮する若年女性が社会的資源に繋がるための支援

いのまた由美作成のメモより掲載しています。当日の発語と差異があります。数か月後に公開される「会議録」が正確な文言です。

質問: コロナ禍の女子中高生や若年女性を取り巻く課題について

コロナ禍においては、もともとあった社会的に不利な立場による格差や問題が顕在化しています。

厚労省指定法人の「いのち支える自殺対策推進センター」が統計的分析をおこない、本年の自死の動向は「例年とは明らかに異なっている」として10月に緊急レポートを公表しました。自死総数は女性よりも男性のほうが依然として多いのですが、女性の自死が急増し10月は前年同月比8割以上も増えたという衝撃的な速報がありました。自死増加傾向のある特徴的なカテゴリは、1つ目が「同居人がある女性」と「無職の女性」で、2つ目が「女子中高生」です。

いのまた由美
いのまた由美

(いのまた由美)

女子中高生や若年女性を取り巻く課題について伺います。

 

ステイホームの期間に、若い女性の性的な被害が増えているという報道や、相談機関からの声があります。全国の性暴力ワンストップセンターの統計では4月から9月で相談件数が前年比15.5%増加しています。東京の一般社団法人「Colabo」は、家出をしたり、家で安全に過ごせないと感じたりしている少女たちの相談を受けていますが、今年3月から11月半ばまでで、例年の25倍の約850人からの相談を受けているそうです。相談者は1518歳が中心で、ほぼ全員SNSで居場所を探し、SNSに反応した人の家に泊まって性被害を受けている例が後を絶たないそうです。

 

札幌では、ススキノの女性支援のために市内の13団体がネットワークを立ち上げ、生活困窮に陥りやすい10代後半~20代の若い世代の女性が相談しやすい体制を整えようとしています。ススキノで働いている女性は大幅な収入減や失業に苦しんでおり、SNSで知り合った男性の元を転々とする人もいたり、自宅で過ごす時間が長くなって親からの暴力が増えたという相談もあったといいます。

本市としても若年被害女性が社会的資源に繋がるための支援を強化していく必要があると考えますが所見を伺います。

 

例えば、「せんだい男女共同参画財団」の若年女性の支援のためのネットワーク事業には、現場で動いている民間団体が参加をしています。コロナ禍だからこそ、連携を強化・発展させるべきと考えますが、伺います。

 

仙台市当局
仙台市当局

(答弁 市民局長)

若年女性への支援についてお答えをいたします。

 

今般のコロナ禍にあっては、性暴力や、あるいは不安定な就業状況による生活困窮など、若年女性が平常時から抱える様々な課題が顕在化し、悪化する傾向にあり、若年女性が相談窓口など社会資源に繋がるための支援は、より重要性を増しているものと認識してございます。

 

また、若年女性が直面する困難は、暴力、貧困、心身の不調、ひきこもりなど、様々であり、これらが複合的に絡み合っている場合もございますので、専門的な知見を持った支援者が連携して対応することが必要なケースも多くございます。

 

引き続き、このような視点を「せんだい男女共同参画財団」や様々な支援団体と共有し、ご紹介のありました支援者間のネットワークを共に発展させながら、より効果的な支援を行っていけるよう、努めてまいりたいと考えております。

再質問

いのまた由美
いのまた由美

(いのまた由美 再質問)
若年女性のネットワーク支援の強化について、前向きなご答弁をいただいたと思うのですが、コロナ禍の中で、若い女性というのは、私は東京と札幌の事例をご紹介しましたが、東北一の歓楽街があるこの仙台でも同様の問題が発生していると思います。


でも、なかなか繋がりようがないということで、社会的資源と結びつかず、コロナの前から福祉が、性産業が女性の居所を与えたり所得を与えたりすることに、福祉が負けている状況が続いている状況があります。コロナでそれが余計に顕在化しているという状況です。

 

ネットワーク事業を強化するとおっしゃっていただきましたけれども、今年はもう集まりを持ちました。来年まで待っていられないと思いますので、ご答弁をお願いいたします。

仙台市当局
仙台市当局

(答弁 市民局長)
若年女性の支援に向けた支援者間のネットワークについてお答えします。ただいまご指摘がありましたような状況がコロナ禍において続いている、さらに増しているという現状認識につきましては、私どもも同様に受け止めているところでございます。今ご指摘いただきました切迫感を、もう一度私たちも受け止め直しまして、先ほど申しました関係機関と話合いまして、どのように手を差し伸べたらいいのか、どのような手段を持って社会的資源と繋がっていただけるのかどうか、しっかりと話し合ってまいりたいと思います。

参考情報

国や他自治体等の動き(予算がついているか)

2019年 内閣官房『多様な困難に直面する女性に対する支援等に関する関係府省連絡会議』

多様な困難に直面する女性に対する支援等に関する関係府省連絡会議|内閣官房ホームページ
内閣官房,多様な困難に直面する女性に対する支援等に関する関係府省連絡会議

連絡会議資料 2019年12月『多様な困難に直面する女性支援政策パッケージ(案)』
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000556504.pdf

若年被害女性等支援事業

厚生労働省

参議院法務委員会の所信質疑2020年10月29日
日本共産党山添拓議員の質問に対する政府参考人(厚生労働省)の答弁
『様々な困難を抱えた若年女性につきましては、自ら悩みを抱え込み、問題が顕在化しにくく、公的な支援につながりにくいといった側面が指摘されているところでございます。
 こうしたことから、厚生労働省におきましては、平成三十年度に若年被害女性等支援モデル事業を創設いたしまして、公的機関と民間団体が密接に連携し、夜間の見回り、声掛けなどのアウトリーチ支援、居場所の確保、相談対応、自立支援等の支援を行ってきたところでございます。
 令和三年度概算要求におきましては、モデル事業として実施してまいりました事業につきまして、相談支援体制や医療機関との連携等の強化を図った上で、本格実施に移行することを検討しておりまして、現在議論を行っているところでございます』
http://www.yamazoetaku.com/kokkai/6984

厚生労働省所管の令和3年度歳出概算要求書
児童虐待・DV対策等総合支援事業のなかに、「若年被害女性等支援事業」「 困難な問題を抱える女性支援連携強化モデル事業」が入っています。

「概算要求書」及び「政策評価調書」|厚生労働省
「概算要求書」及び「政策評価調書」について紹介しています

 

一般社団法人colabo

一般社団法人Colabo(コラボ) – Colabo(コラボ)は中高生世代を中心とする10代女性を支える活動を行っています!

ススキノの女性支援へネットワーク Cloudy

ススキノの取組を知り、 2月仙台市議会の一般質問の前に電話でヒアリングをさせていただき、仙台でも公的支援の必要性を認識されるよう議会で発言をしました。SNS発信など若い方々の視点を大事にして、支援が必要な方と結びつくことができたらよいと思います。

ページが見つかりません:北海道新聞デジタル
ページが見つかりません:北海道新聞デジタル

 新型コロナウイルスの感染拡大で失業や減収に直面する札幌・ススキノ地区で働く女性らを支援しようと、生活困窮者やドメスティックバイオレンス(DV)被害者の支援などに取り組む札幌市内の13団体が、連携組織を設立する。各団体の得意分野を生かし、生活困窮に陥りやすい10代後半~20代の若い世代の女性に特化した支援体制を整え、年内にも活動を始める。

北海道新聞 12/03 23:47 更新 ススキノの女性支援へネットワーク 札幌市内の13団体 コロナ禍で困窮増加受け

https://twitter.com/cloudy73714786

せんだい男女共同参画財団の取組

仙台市男女共同参画推進センターを指定管理者として、管理・運営している「せんだい男女共同参画財団」の取組からピックアップして掲載します。

文部科学省2019年度 男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業
モデル事業:仙台の事例
自立を目指す女性のための“学び直し”を通したキャリア支援事業

仙台の事例 | 【平成30年度】 | 文部科学省 令和元年度「男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業
仙台では中卒や高校中退など、10代で十分な学びの経験を得ることができなかった女性を対象とした学習支援が始まっています。